海外ジャーナルクラブ
1年前
Pattersonらは、 小児の敗血病関連死亡例における持続性炎症・免疫抑制・異化症候群 ( PICS) の有病率と、 病原体プロファイルおよび併存疾患について後ろ向き研究で検討。 その結果、 小児敗血症関連死亡例の約半数がPICSであることが明らかとなった。 本研究はChest誌において発表された。
今回のPICSの定義は下記のようです。 The criteria used for pPICS were at least two of the following documented within 7 days of one another by time stamps: albumin level of <3.0g/dL, CRP level of >10mg/L, ALC of <1.0×10³/μL, or a combination thereof.
敗血症における死亡は、 PICSと呼ばれる炎症カスケードが解消されないことと関連していることが多い。 小児敗血症患者におけるPICSに関する研究は限られている。
1997〜2020年に原因不明の培養陽性敗血症で死亡した21歳以下の患者
患者の医療データからPICSの有無を評価
557例の患者が培養陽性敗血症を発症し、 そのうち47% ( 262例) がPICSを有していた。
PICSを有する患者は血液学的疾患、 腫瘍学的疾患、 心疾患などが併存する傾向が強かった。
PICSを有する患者は、 非PICS患者と比較して、 真菌感染のオッズが高かった。
リンパ球絶対数が1.0×10³/μL未満であることが、 他の検査項目と比較してPICS発症と最も密接に関連していた。
多変量ロジスティック回帰分析の結果、 PICSを有する患者は、 小児ICUと比較して心臓ICUでより頻度が高いことが示された。
敗血症に関連した原因で死亡した小児患者は、 ほぼ半分の確率でPICSの表現型を有している。 これらの患者は、 小児ICUよりも心臓ICUにいることが多く、 真菌感染を示すことが多い。 今後の研究において、 この集団に特別な注意を向ける必要がある。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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