HOKUTO編集部
2年前
未治療の切除不能または転移性尿路上皮癌患者を対象に、 ニボルマブ (NIVO) とゲムシタビン・シスプラチン (GC療法) の併用療法の有効性および安全性について、 GC単独療法を対照として比較検討した第Ⅲ相ランダム化比較試験CheckMate 901の結果から、 全生存期間 (OS) と無増悪生存期間 (PFS) の有意な改善が示された。 オランダ・Netherlands Cancer InstituteのMichiel S. van der Heijden氏が発表した。 同試験の詳細はN Engl J Med 2023年10月22日オンライン版に掲載された。
未治療の切除不能または転移性尿路上皮癌患者に対し、 プラチナベースの化学療法が標準治療となる。 シスプラチンベースの化学療法の奏効率は40%以上でOS中央値も約15カ月であるが、 持続的な奏効を示すことは稀である。 NIVOは既にプラチナベースの化学療法歴のある局所進行性または転移性尿路上皮癌と、 根治切除後の高リスク筋浸潤性尿路上皮癌の術後療法として承認されており、 本試験で未治療の切除不能または転移性尿路上皮癌に対する効果が検討された。
シスプラチンを含む化学療法に適格な、未治療の切除不能または転移性尿路上皮癌患者
608例を以下の2群に1:1で割り付けた。
2つのパートに分かれており、 第1部では、 NIVO+GC療法の併用療法とGC単独療法に割り付けられ、 第2部では、 NIVO+イピリムマブまたはプラチナ製剤ベースの化学療法を受ける群に割り付けられた。 今回は第1部の結果が報告された。
主要評価項目:OS、 PFS
副次評価項目:腫瘍のPD -L1発現が1%以上の患者におけるOS・PFS、 健康関連QOL*
両群で大きな差はみられなかった。
33.6ヵ月
HR 0.78 (95%CI 0.63-0.96)、 p=0.0171
HR 0.72 (95%CI 0.59-0.88)、 p=0.0012
未治療の切除不能または転移性尿路上皮癌患者において、 ニボルマブ+GC療法は、 GC単独療法と比較し、 OSおよびPFSを有意に延長させることが示された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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