海外ジャーナルクラブ
6日前

Nathanらは、 特発性肺線維症 (IPF) 患者に対する吸入トレプロスチニルの有用性を第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験 (TETON-2) にて検証した。 その結果、 52週時点の努力肺活量 (FVC) の変化量は、 トレプロスチニル群で-49.9mLであり、 プラセボ群の-136.4mLに比べて、 有意に低下を抑制した。 また、 臨床的増悪イベントもトレプロスチニル群で有意に少なかった。 試験結果はNEJM誌に発表された。
本研究の限界は、 中止率が高かった点とサブグループ解析の検出力が不足していた点です。 また、 抗線維化薬の使用や用量変化が記録されておらず、 結果に影響した可能性があります。
吸入トレプロスチニルは、 前臨床データにて、 抗線維化機序を介して特発性肺線維症 (IPF) 治療に有用である可能性が示されており、 この仮説は臨床的観察においても支持されている。
本研究は、 第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験 (TETON-2) であり、 IPF患者を吸入トレプロスチニルまたはプラセボを52週間 (1回12吸入×1日4回) 投与する群に割り付けた。
主要評価項目は、 52週時点の努力肺活量 (FVC) のベースラインからの変化量とした。 副次評価項目は、 臨床的増悪およびIPFの急性増悪、 52週までの死亡、 52週時点での予測FVC%、 QOL、 肺拡散能 (DLco) のベースラインからの変化量とし、 安全性も評価した。
合計593例が無作為化され、 463例 (トレプロスチニル群 : 224例、 プラセボ群 : 239例) が52週までの試験評価を完了した。 ベースライン時の平均FVCは76.8%であり、 75.4%の患者が既存の抗線維化療法を受けていた。
52週時点のFVCの変化量は、 トレプロスチニル群で有意に小さかった。
52週時点のFVC変化量
群間差 95.6mL (95%CI 52.2~139.0、 p<0.001)
臨床的増悪もトレプロスチニル群で少なく、 IPF急性増悪までの時間には群間で大きな差が認められなかった。
臨床的増悪
HR 0.71 (95%CI 0.53~0.95、 p=0.02)
最も高頻度な有害事象は咳嗽であった。 トレプロスチニル群では33.6%で投与中止に至り、 その約半数は有害事象が主な理由であった。
咳嗽
投与中止
著者らは、 「IPF患者において、 吸入トレプロスチニルはプラセボと比較してFVC低下を抑制し、 臨床的増悪イベントも少なく抑えた」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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