【JAMA Surg】大腸癌肝転移への肝移植後の長期生存の予測因子を検討
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1年前

【JAMA Surg】大腸癌肝転移への肝移植後の長期生存の予測因子を検討

【JAMA Surg】大腸癌肝転移への肝移植後の長期生存の予測因子を検討
Duelandらは、 大腸癌肝転移に対する肝移植の複数の臨床試験の参加者を対象に、 肝移植後の長期生存の予測因子を前向き非無作為化対照コホート研究で検討。 その結果、 全生存期間 (OS) に対する複数の負の予測因子が特定された。 本研究はJAMA Surg誌において発表された。

📘原著論文

Long-Term Survival, Prognostic Factors, and Selection of Patients With Colorectal Cancer for Liver Transplant: A Nonrandomized Controlled Trial. JAMA Surg. 2023 Sep 1;158(9):e232932. PMID: 37494056

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

3つの前向き試験に参加した患者の長期アウトカムの追跡調査です。 よく大学病院で教授から論文を書きなさいと言われて何かチャートレビューをすると単施設で60症例ほど集めることがあります。 そのような場合にどのような論文を書き上げるか悩みますがその参考になる研究です。

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MELDスコア

肝移植待機患者の3ヶ月予後予測

MELD-Naスコア

肝移植待機患者の90日予後予測 (スコアにNaを含む)

背景

肝転移を有する大腸癌に対する肝移植は、 OSが不良なため1990年代に断念された。 しかし、 2006年以降、 切除不能な大腸癌肝転移に対する肝移植が、 さまざまな前向き試験によって再検討されている。

研究デザイン

対象

オスロ大学病院で2006~20年に行われた大腸癌肝転移に対する肝移植に関する複数の臨床試験者の参加者:61例

介入

肝移植

主要評価項目

無病生存期間 (DFS)、 OS、 再発後の生存期間

研究結果

主要評価項目

  • DFS:11.8ヵ月 (95%CI 9.3-14.2ヵ月)
  • OS:60.3ヵ月 (95%CI 44.3-76.4ヵ月)
  • 再発後の生存期間中央値:37.1ヵ月 (95%CI 4.6-69.5ヵ月)

OSに対する負の予測因子

  • 最大腫瘍径5.5cm超:OS中央値 25.3ヵ月 (95%CI 15.8-34.8ヵ月、 P<0.001)
  • 化学療法中の進行:OS中央値 39.8ヵ月 (95%CI 28.8-50.7ヵ月、 P=0.02)
  • 血漿CEA値80μg/L超:OS中央値 26.6ヵ月 (95%CI 22.7-30. 6ヵ月、 P<0.001)
  • PETにおける肝臓の代謝腫瘍体積70cm³超:OS中央値 26.6ヵ月 (95%CI 11.8-41.5ヵ月、 P<0.001)
  • 原発部位が上行結腸:OS中央値 17. 9ヵ月 (95%CI 0-37.5ヵ月、 P<0.001)
  • 腫瘍量スコア9以上:OS中央値 23.3ヵ月 (95%CI 19.2-27.4ヵ月、 P=0.02)
  • 9個以上の肝病変:OS中央値 42.5ヵ月 (95%CI 17.2-67.8ヵ月、 P=0.02)

10年生存率

Oslo score 0またはFong Clinical Risk Score 1の場合の10年生存率はそれぞれ88.9%および80.0%であった。

結論

肝転移が肝臓のみで、 移植前の予後スコアが良好な患者を選択すると、 通常の肝移植の適応に匹敵する長期生存が見込める可能性が示唆された。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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