メイヨークリニック感染症科 松尾貴公
4ヶ月前
メイヨークリニック感染症科 松尾貴公先生による連載です。 第8回は 「医学生と研修医の8つの違い」 についてご解説いただきます。
バックナンバー
Take home message
研修医は社会人の一員であり、 役割や目的が医学生と異なることを理解しよう
研修医としての生活は、 社会人としての責任が加わり、 これまでの学生生活とは大きく異なります。 今回は、 医学生と研修医の具体的な違いを8つの視点から見ていきます。
これまでは学びの立場が中心だった皆さんが、 これからはその知識と技術を社会に還元し、 現場で活用する役割を担うことになります。
👨🎓医学生 : 知識や技術を得る
👨⚕️研修医 : 知識や技術を活用する
医学生と研修医の最大の違いが 「目的」 です。 医学生は知識を習得することが主な目的ですが、 研修医はその知識を実際の患者さんに活用し、 治療に役立てることが求められます。
👨🎓医学生 : 授業を受ける、 教えてもらう
👨⚕️研修医 : チームで仕事をする
医学生は決められたカリキュラムに沿って学習を進めますが、 研修医は知識を実際に医療現場で活用することが主な活動となります。 学びながらも、 チームの一員として患者さんに貢献することが求められます。
👨🎓医学生 : 学校に支払う
👨⚕️研修医 : 病院から給料を得る
学生時代は授業料を支払うことで学びの環境を得ますが、 研修医としては病院で働くことで給料を得ます。 働かずにサボっていては、 当然ながら給料は得られません。
👨🎓医学生 : 比較的余裕がある
👨⚕️研修医 : 拘束時間が長い
社会人は時間の使い方が非常に重要です。 社会人として遅刻したり、 期限を遅れたりしてしまうと周囲に大きく迷惑をかけてしまいます。 また、 忙しい中での有効な時間の使い方も重要なスキルとなります。
👨🎓医学生 : 同世代と交流することが多い
👨⚕️研修医 : 多様な年齢層・背景の人と関わる
学生時代は比較的気の合う友人と付き合うことができましたが、 研修医になると、 自分の好みにかかわらず、 さまざまな人と関わらなければなりません。 特に患者さんやその家族、 他職種のスタッフとのコミュニケーションが重要になります。
👨🎓医学生 : 自己責任が中心
👨⚕️研修医 : チーム全体の責任を負う
医学生の時よりも、 研修医は社会人としてチーム全体や病院の一員としての責任を負うことになります。
👨🎓医学生 : 試験の成績
👨⚕️研修医 : 日々の仕事の結果やプロセス
学生時代の評価基準は主に試験の成績でしたが、 研修医では日々の行動、 仕事の成果、 チームへの貢献など、 さまざまな側面が評価されます。
👨🎓医学生 : 先生
👨⚕️研修医 : 上級医、 コメディカルスタッフ、 患者
医学生時代の評価者は主に先生でしたが、 研修医になると上級医、 コメディカルスタッフ、 さらには患者さんやその家族からの評価を受けることになります。 360度評価が導入されている病院も多く、 さまざまな視点からの評価が求められます。
研修医としての生活は、 医学生時代とは異なる責任感や緊張感がありますが、 それだけ成長の機会も多い時期と言えます。 皆さんの今後のますますのご活躍を応援しています。
レジデントのためのビジネススキル・マナー
医師として成功の一歩を踏み出す仕事術55
本書では自分が失敗から学んできた社会人としての院内・院外で必要なマナーや、 医師としての心得、 自己成長を成し遂げていくために必要な仕事術を解説していきます。 特に若手医師の皆さんにこれらを少しでも早い段階で共有することにより、 医師としてのキャリアを成功させるためのお手伝いが少しでもできれば幸いです。
X (旧twitter) : @1min_ID_consult
X (英語版) : @1min_IDconsult
Youtube : @1min_ID_consult
Instagram : @1min_ID_consult
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。