【JAMA Oncol】臍帯間葉系幹細胞の早期投与でHSCT後の慢性GVHD予防
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海外ジャーナルクラブ

9ヶ月前

【JAMA Oncol】臍帯間葉系幹細胞の早期投与でHSCT後の慢性GVHD予防

【JAMA Oncol】臍帯間葉系幹細胞の早期投与でHSCT後の慢性GVHD予防
Huang氏らはハプロ造血幹細胞移植 (HSCT) 適合の血縁ドナーがいる急性白血病患者を対象に、 HSCT後の慢性移植片対宿主病 (GVHD) 予防におけるヒト臍帯由来の間葉系幹細胞 (MSC) の早期反復投与の効果について、 非盲検多施設共同並行群間無作為化試験で検討した。 その結果、 MSCの反復投与は慢性GVHDの発生率および重症度を有意に低下させた。 本研究はJAMA Oncolにおいて発表された。

📘原著論文

Mesenchymal Stem Cells for Prophylaxis of Chronic Graft-vs-Host Disease After Haploidentical Hematopoietic Stem Cell Transplant: An Open-Label Randomized Clinical Trial. JAMA Oncol. 2023 Dec 28. PMID: 38153755

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

本文のlimitationにはOverall Survivalに有意差が出なかった (HR 0.65 [95%CI 0.34-1.26]、 p=.20) 理由のみ複数記載されています。 OSはabstractにも記載がない項目ですが、 有効性の観点で唯一差が出なかったのと査読でその部分を突かれたような痕跡に見受けられました。

🔢関連コンテンツ

慢性GVHDの重症度分類


研究の背景

慢性GVHDはHSCT後の長期的有益性を制限する重要な問題である。

研究デザイン

対象

HSCTに適したハプロ血縁ドナーがいる急性白血病患者

介入

患者を以下の2群に1 : 1の割合で無作為に割り付けた。

  • MSC群 (MSC 1×10⁶/kgを移植45日後から2週間ごとに計4回投与) : 74例
  • 対照群 (通常の予防) : 74例

主要評価項目

重症慢性GVHDの累積発生率

研究結果

追跡期間中央値

39.0ヵ月

重症慢性GVHDの推定2年累積発生率

  • MSC群 : 5.4%
  • 対照群 : 17.4%
HR 0.29 (95%CI 0.10-0.88)、 p=0.03

白血病再発の累積発生率

両群間に差は認められなかった。

HR 1.17 (95%CI 0.55-2.47)、 p=0.68

II期~IV期急性GVHDの累積発生率

MSC群は対照群に比べて有意に低かった。

HR 0.25 (95%CI 0.09-0.67)、 p=0.01

無GVHDおよび無再発生存期間 (RFS)

MSC群は対照群に比べて良好であった。

HR 0.62 (95%CI 0.39-0.98)、 p=0.04

結論

HSCTに適したハプロ血縁ドナーがいる急性白血病患者において、 MSCの早期反復投与を行うことで慢性GVHDの発生率および重症度を有意に低下させ、 急性GVHD発生率および重症度の低下に伴い、 GVHD-freeおよびRFSの改善に寄与することが示唆された。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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