海外ジャーナルクラブ
9ヶ月前
Huang氏らはハプロ造血幹細胞移植 (HSCT) 適合の血縁ドナーがいる急性白血病患者を対象に、 HSCT後の慢性移植片対宿主病 (GVHD) 予防におけるヒト臍帯由来の間葉系幹細胞 (MSC) の早期反復投与の効果について、 非盲検多施設共同並行群間無作為化試験で検討した。 その結果、 MSCの反復投与は慢性GVHDの発生率および重症度を有意に低下させた。 本研究はJAMA Oncolにおいて発表された。
本文のlimitationにはOverall Survivalに有意差が出なかった (HR 0.65 [95%CI 0.34-1.26]、 p=.20) 理由のみ複数記載されています。 OSはabstractにも記載がない項目ですが、 有効性の観点で唯一差が出なかったのと査読でその部分を突かれたような痕跡に見受けられました。
慢性GVHDはHSCT後の長期的有益性を制限する重要な問題である。
HSCTに適したハプロ血縁ドナーがいる急性白血病患者
患者を以下の2群に1 : 1の割合で無作為に割り付けた。
重症慢性GVHDの累積発生率
39.0ヵ月
HR 0.29 (95%CI 0.10-0.88)、 p=0.03
両群間に差は認められなかった。
HR 1.17 (95%CI 0.55-2.47)、 p=0.68
MSC群は対照群に比べて有意に低かった。
HR 0.25 (95%CI 0.09-0.67)、 p=0.01
MSC群は対照群に比べて良好であった。
HR 0.62 (95%CI 0.39-0.98)、 p=0.04
HSCTに適したハプロ血縁ドナーがいる急性白血病患者において、 MSCの早期反復投与を行うことで慢性GVHDの発生率および重症度を有意に低下させ、 急性GVHD発生率および重症度の低下に伴い、 GVHD-freeおよびRFSの改善に寄与することが示唆された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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