【亀田呼吸器2023】COPDの診かた (永井達也先生)
著者

亀田総合病院

3ヶ月前

【亀田呼吸器2023】COPDの診かた (永井達也先生)

【亀田呼吸器2023】COPDの診かた (永井達也先生)
本コンテンツは昨年開催された 「亀田総合病院呼吸器セミナー2023」 の内容をまとめたものです。 呼吸器領域の代表的な疾患についてわかりやすく解説した内容となりますので、 是非臨床の参考としていただけば幸いです。 

講演情報

講師 : 永井達也先生

亀田総合病院呼吸器内科

COPDとは何か

定義

タバコ煙を主とする有害物質に長期曝露することで生じる炎症性疾患。 呼吸機能検査で気流閉塞がある。 

末梢気道病変と気腫性病変が様々な割合で複合関与している。 症状としては徐々に進行する労作時呼吸困難、 咳、 痰を示すが、 これらの症状に乏しいこともある。

疫学的分類

【亀田呼吸器2023】COPDの診かた (永井達也先生)
永井達也氏発表資料より

病理

▼気道病変優位型

リンパ球、 好中球、 マクロファージなどによる炎症細胞浸潤によって気道壁が肥厚し、 気道の狭窄や喘息様の症状が生じる。

▼気腫優位型 (肺気腫)

肺胞壁が破壊されるされることで弾性線維が失われ、 肺胞付着部の喪失、 気道虚脱が進み、 終末細気管支遠位の空隙の拡大が進む。

COPDの病理組織象

【亀田呼吸器2023】COPDの診かた (永井達也先生)
永井達也氏発表資料より

COPDの診断

診断の流れ

  1. 長期喫煙歴など曝露因子の確認する
  2. 気管支拡張薬吸入後スパイロメトリーで1秒率<70%の気流閉塞を伴うか確認する
  3. 他の気流閉塞をきたしうる疾患を除外する

COPDの病期分類

【亀田呼吸器2023】COPDの診かた (永井達也先生)
永井達也氏発表資料より

COPDの管理 (増悪時)

増悪時治療は呼吸補助と薬物療法に分け考える

呼吸補助

下記の症状が確認された場合は非侵襲的陽圧換気 (NPPV) を行うことが望ましい。

  • 高度呼吸困難 : 呼吸筋疲労、 呼吸補助筋の高い活動性
  • 酸素投与に対する反応不良
  • 呼吸性アシドーシス : PH≦7.35
  • 高二酸化炭素血症 : PaCO²≧45mmHg

薬物療法

抗菌薬 (aitibiotics)、 気管支拡張薬 (bronchodilators)、 ステロイド (corticosteroids) のABCアプローチが基本となる。

A : 抗菌薬

痰の膿性化、 CRP増多など、 肺炎や感染症が示唆される患者、 人工呼吸器管理 (NPPV含む) が必要な重症患者が対象。

- CTRX : 1~2g /日、 5~7日間
- PIPC/TAZ 4.5g 6時間毎、 7日間
 (緑膿菌などへの対処が必要な場合)

B : 気管支拡張薬

基本的に全例に、 短時間作用型β₂刺激薬 (SABA) の反復投与を実施する

サルブタモール0.5mL+生食 5mL ネブライザー
  - 救急外来 : 20分毎に2~3回
  - 病棟 : 1日4回 呼吸苦時に追加吸入

C : ステロイド

- プレドニゾロン 40mg 5日間経口投与
- メチルプレドニゾロン 40mg 6時間毎 最大14日 (人工呼吸器管理を有する重症例)

COPDの管理 (安定期)

安定期の治療は薬物療法と非薬物療法に分けられる。 薬物療法に先んじてまずは禁煙などを行い、 曝露源からの離脱を図ることが重要となる。

非薬物療法 (薬物療法導入前)

▼禁煙の指導

  • 発症リスク減少、 進行抑制の最大の方法
  • 喫煙COPDのFEV₁低下は禁煙患者の2倍

▼ワクチンの接種

  • インフルエンザワクチンはCOPD増悪頻度と死亡率を低下
  • PPSV23は65歳未満、 %FEV₁<40%のCOPDの肺炎を減少
  • PCV13は65歳以上の高齢市中肺炎を抑制
  • インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの併用により、 インフルエンザワクチン単独と比較し、COPD感染増悪の頻度減少

薬物療法

長時間作用型β₂刺激薬 (LABA)、 長時間作用型抗コリン薬 (LAMA) などの長期管理薬 (コントローラー) による治療が基本となる。

GOLDレポートによるコントローラーの分類

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永井達也氏発表資料より

▼呼吸困難症例の場合

基本的にLABA、 LAMAまたはLABA+LAMAの2剤で調整する。

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永井達也氏発表資料より

▼増悪症例の場合

  • コントローラーの調整のため、 好酸球数を把握することが重要。
  • 好酸球数が≧300の場合はトリプル製剤を積極的に検討する。
  • 好酸球数が≧100の場合でも繰り返す場合はトリプル製剤の適応となる。
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永井達也氏発表資料より

COPDの合併症

呼吸器疾患の終末期では身体活動が低下し、 サルコペニアとなることが多い。 COPDでは15%において合併するとされている。

スクリーニング方法

▼指輪っかテスト

両手で輪を作って自分のふくらはぎをつかんだとき、 隙間ができるような場合、 サルコペニアが疑われる。

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永井達也氏発表資料より

治療・予防

運動および栄養指導が重要となる。

  • 適正体重1kgあたり1.0g以上の蛋白摂取
  • 20分/日の歩行、 2回/週以上の筋トレ
  • 運動後の必須アミノ酸補充

まとめ (Take Home Message)

  • 増悪期の治療はABCアプローチが基本。
  • NPPVは閾値低く装着する。
  • 安定期には、 禁煙、 ワクチン接種、 コントローラーの導入を最低限行う。

亀田総合病院呼吸器内科からのメッセージ

呼吸器内科をもっと深く学びたい方は 「レジデントのための呼吸器診療最適解」 (医学書院) でぜひ勉強されて下さい!

亀田総合病院 呼吸器内科 初期研修医向けオンライン説明会 3月~4月の案内

亀田総合病院 呼吸器内科の紹介

呼吸器内科 後期研修医・スタッフ募集

一言 : 当科では教育および人材交流のために、 日本全国から後期研修医・スタッフ (呼吸器専門医取得後の医師) を募集しています。 ぜひ一度見学に来て下さい。

連絡先 : 主任部長 中島啓

メール : kei.7.nakashima@gmail.com

Twitter : https://twitter.com/keinakashima1

Instagram : https://www.instagram.com/kei_nakashima7

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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