HOKUTO編集部
12ヶ月前
成人鎌状赤血球症 (SCD) 患者におけるHLA半合致移植 (以下、 ハプロ移植) の効果を検証した第Ⅱ相多施設単群コホート試験BMT CTN 1507の結果より、 HLA一致血縁ドナー (MSD) による骨髄移植と同等の2年時無イベント生存率 (EFS) をもたらすことが示された。 米・Vanderbilt University Medical CenterのAdetola A. Kassim氏が発表した。
成人SCD患者の生存期間中央値は48.0年であり、 この数値は25年間変化していない。 小児SCD患者は、 HLA一致血縁ドナー (MSD) からの同種造血幹細胞移植で良好な転帰が得られているが、 MSDを有するのはSCD患者の15%未満である。 また、 移植後シクロホスファミド (PTCy) を併用したハプロ移植は、 小規模な研究でドナープールを拡大することが示され、 有望な結果が得られているが、 移植片対宿主病 (GVHD) に関する懸念は残る。
本試験では、 成人の重症SCD患者におけるPTCyを併用したハプロ移植の有効性と安全性が評価された。
15~45歳のSCDで、 以下のいずれかを有する患者
54例に対し、 下記治療を実施
主要評価項目
ハプロ移植後2年間のEFS
副次評価項目
ハプロ移植後2年間のSCDの臨床症状および検査結果、 その他の移植転帰
743.5日
88%
ヒドロキシ尿素投与後2年間
93.0%
移植後2年間
95.0%
78.6%がハプロ移植後に少なくとも1回の再入院を認めた。 主な原因は細菌感染 (41例) またはウイルス再活性化 (36例) であった。
成人の重症SCD患者におけるハプロ移植は、2年後のドナー生着率が高く、死亡率は低かった。さらに移植後2年間のEFSおよびOSは、MSDによる移植と同等の結果が示された。
🔢 HCT-CI
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。