海外ジャーナルクラブ
7ヶ月前
Mayerらは、 CDK4/6阻害薬+ホルモン療法 (アロマターゼ阻害薬) による前治療後に病勢が進行したホルモン受容体 (HR) 陽性/HER2陰性転移性乳癌の患者を対象に、 ホルモン療法をエストロゲン受容体拮抗薬フルベストラントに変更した場合の治療効果を第Ⅱ相無作為化比較試験PACEで検討した。 その結果、 CDK4/6阻害薬と併用するホルモン療法をフルベストラントに変更しても、 フルベストラント単剤と比較して無増悪生存期間 (PFS) は改善しなかった。 本研究は、 J Clin Oncol誌において発表された。
本研究ではチェックポイント阻害薬 (ICI) とCDK4/6阻害薬の組み合わせは副反応も以前の報告よりも抑えられ、 シナジー効果がありそうなので今後の新たな研究成果が期待されます。
CDK4/6阻害薬は、 HR陽性/HER2陰性転移性乳癌の治療において重要な役割を果たしているが、 これらの薬剤とホルモン療法の併用や、 ICIの併用による治療効果については不明な点が多い。
CDK4/6阻害薬およびアロマターゼ阻害薬による前治療後に病勢が進行したHR陽性/HER2陰性の転移性乳癌患者 : 220例
患者を以下の群に1 : 2 : 1の割合で無作為に割り付けた。
PFS
F群 : 4.8ヵ月
F+P群 : 4.6ヵ月
HR 1.11 (90%CI 0.79-1.55、 p=0.62)
F+P+A群 : 8.1ヵ月
HR 0.75 (90%CI 0.50-1.12、 p=0.23)
F+P群およびF+P+A群におけるPFSの差は、 ベースライン時にESR1遺伝子およびPIK3CA遺伝子の変異を有する患者においてより顕著であった。
著者らは、 「CDK4/6阻害薬とフルベストラントの併用は、 フルベストラント単剤と比較してPFSを改善しなかった。 しかしアベルマブの追加によりPFSが延長される可能性が示されたことから、 これらの患者集団についてのさらなる検討が必要である」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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