日本人肺癌患者の遺伝子検査に対する意識・姿勢は?
著者

HOKUTO編集部

8ヶ月前

日本人肺癌患者の遺伝子検査に対する意識・姿勢は?

日本人肺癌患者の遺伝子検査に対する意識・姿勢は?
非小細胞肺癌 (NSCLC) の日本人患者における遺伝子検査に対する認識などを調査した結果から、 遺伝子検査について決定する際には自分の希望が考慮されることを望んでいる患者が多いことなどが、 ウェブを用いたアンケート調査の結果から明らかになった。 NPO法人肺がん患者の会ワンステップ代表の長谷川一男氏が報告した。 

調査の概要

背景と目的

日本では、 肺がんの治療前に検査が必要な遺伝子数が2017年の2遺伝子から2022年には8遺伝子に増加した。 多遺伝子検査が実施されるようになり、 遺伝子検査や治療の機会が複雑化している。 そのため、 すべての患者が最適な個別化医療を受けられる環境が求められている。

本調査の目的は、 患者の視点から個別化医療の現状を明らかにし、 最適な個別化医療を実現するために必要な要因を明らかにすることである。 非小細胞肺がん (NSCLC) 患者における肺がん関連コンパニオン診断の実施状況について、 肺がん患者が最適な個別化医療を受けるために必要な要因を明らかにする。

対象

以下を満たすNSCLC (自己申告) 

  • 薬剤治療下、 または薬剤治療歴あり
  • 根治的手術・放射線療法の適応なし
  • 18歳以上

方法

2022年10月11~31日にウェブを用いたアンケート調査を実施 (ワンステップのホームページにアンケートを掲出) 

結果 (副次評価・探索的項目) 

本研究の主要評価項目である個別化医療を受ける機会についての結果は、 今年6月開催の第8回日本がんサポーティブケア学会で報告されており、 今回は副次評価・探索的項目に関して報告された。

遺伝子検査についての情報源は? 

回答数:214 (重複あり)
患者にとっては、 医師や患者・生存者などの双方向の情報源 (すなわち双方向のコミュニケーション) が重要であるようだ。

遺伝子検査による負担と検査への意欲の関係

  • 身体的負担が生じてもできるだけ多くの検査を受けたい: 77.8%
  • 身体的負担を避けるため主要な検査に限り受けたい:10.8%
  • 分からない:11.3%
回答数:203
患者はできるだけ多くの遺伝子を検査することを好む。

結果を受け取るまでの時間

  • 1~2週間かかってもできるだけ多くの結果が欲しい:87.2%
  • 主要な検査結果のみで良いので1週間以内に知りたい:3.9%
  • 分からない:8.9%
回答数:203

費用

  • 余分にかかってもきるだけ多くの結果が欲しい:80.3%
  • 費用を最小化したいので主要な遺伝子検査の結果のみで良い:7.9%
  • 分からない:11.8%
回答数:203
実際には、 検体量・治療開始までの期間・保険償還などの問題から、 患者さんの要望との間にギャップが生じる可能性があり、 患者と医師との適切なコミュニケーションが重要と考えられた。 

検査実施における意思決定

  • 医師と話し合い、医師提供情報に基づき自分で決めたい:36.5%
  • 医師との同意/話し合い、医師提供情報をもとに決定したい:62.1%
  • 医師に決めてもらいたい:1.5%
回答数:203
患者は、 遺伝子検査について決定する際に、 自分の希望が考慮されることを望んでいる。

結論

これらの結果は、 肺癌患者が最適な個別化医療を受けられる環境の確立を支援するものである。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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