【BMJ】長期MTX治療中の予後予測モデルでモニタリング頻度をリスク層別化
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海外ジャーナルクラブ

10ヶ月前

【BMJ】長期MTX治療中の予後予測モデルでモニタリング頻度をリスク層別化

【BMJ】長期MTX治療中の予後予測モデルでモニタリング頻度をリスク層別化
Nakaferoらは、 免疫介在性炎症性疾患と診断されメトトレキサート (MTX) を長期投与された患者を対象に、 新たに開発された予後予測モデルの性能を後ろ向きコホート研究で検討。 その結果、 この予後予測モデルは臨床的に関連性のあるサブグループの転帰を適切に予測し、 モニタリング頻度のリスク層別化に役立つことが明らかとなった。 本研究はBMJ誌において発表された。 

📘原著論文

Risk stratified monitoring for methotrexate toxicity in immune mediated inflammatory diseases: prognostic model development and validation using primary care data from the UK. BMJ. 2023 May 30;381:e074678. PMID: 37253479

👨‍⚕️監修医師のコメント

本研究結果で下記が推奨されています。

  • Patients at relatively low risk: six monthly or annual testing
  • Patients with moderate risk: every three months
  • Patients with high risk: more frequent testing

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研究デザイン

対象

免疫介在性炎症性疾患と診断され、 2007~19年にMTXを6カ月以上処方された18歳以上の成人患者

主要評価項目

血液検査の異常によるMTXの中止

研究結果

  • 開発コホートおよび検証コホートにはそれぞれ1万3,110例 (854イベント) と2万3,999例 (1,486イベント) のデータが含まれ、 11の予測因子候補が評価された。
  • 開発データセットでは、 楽観性で調整したR²は0.13、 Royston D統計量は0.79であった。
  • 検証データセットにおける追跡期間全体に対する較正勾配は0.94 (95%CI 0.85-1.02)、 Royston D統計量は0.75 (95%CI 0.67-0.83) であった。
  • 予後予測モデルは、 年齢層、 免疫介在性炎症性疾患のタイプ、 MTX投与量によって定義された臨床的に関連性のあるサブグループにおける転帰の予測においても良好な結果を示した。

結論

日常診療で収集された情報を用いた予後予測モデルが開発され、 検証された。 このモデルは、 長期MTX治療中の血液検査モニタリング頻度のリスク層別化に使用できるであろう。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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