【NEJM】院外心停止後の昏睡患者、 軽度の高炭酸ガス血症状態で神経学的転帰改善せず
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【NEJM】院外心停止後の昏睡患者、 軽度の高炭酸ガス血症状態で神経学的転帰改善せず

【NEJM】院外心停止後の昏睡患者、 軽度の高炭酸ガス血症状態で神経学的転帰改善せず
Eastwoodらは、 院外心停止後に蘇生し昏睡状態の成人患者を対象に、 軽度の高炭酸ガス血症状態が神経学的転帰を改善するかどうかを無作為化比較試験で検討。 その結果、 軽度の高炭酸ガス血症状態は神経学的転帰を改善しなかった。 本研究はNEJM誌において発表された。 

📘原著論文

Mild Hypercapnia or Normocapnia after Out-of-Hospital Cardiac Arrest. N Engl J Med. 2023 Jul 6;389(1):45-57. PMID: 37318140

👨‍⚕️監修医師のコメント

臨床的な有意差はもともと期待できないと思いますが、 蘇生ガイドラインにはRCTしかほぼ採用されないため、 このようなRCTの意義は大きいです。


背景

ガイドラインでは、 院外心停止後に蘇生した昏睡状態の成人に対して正常炭酸ガス状態であることを推奨している。 しかし、軽度の高炭酸ガス血症状態は脳血流量を増加させ、神経学的転帰を改善する可能性がある.

研究デザイン

対象

心停止または原因不明の院外心停止後に蘇生し、 ICUに入室した昏睡患者

介入

患者を以下の群に1:1の割合で無作為に割り付け

  • 介入群:847例
軽度高炭酸ガス血症状態:目標PaCO₂ 50~55mmHg
  • 対照群:853例
正常炭酸ガス状態:目標PaCO₂ 35~45mmHg

主要評価項目

6カ月後の良好な神経学的転帰 (Glasgow Outcome Scale-Extended [GOSE] による評価で5点以上と定義)

副次評価項目

6カ月以内の死亡

研究結果

主要評価項目

  • 介入群:43.5% (764例中332例)
  • 対照群:44.6% (784例中350例)
相対リスク 0.98、 95%CI 0.87-1.11、 P=0.76

副次評価項目

  • 介入群:48.2% (816例中393例)
  • 対照群:45.9% (832例中382例)
相対リスク 1.05、 95%CI 0.94-1.16

安全性評価

有害事象の発生率は群間で有意差はなかった。

結論

院外心停止後に蘇生した昏睡患者において、 軽度の高炭酸ガス血症状態は正常炭酸ガス状態よりも6カ月後の神経学的転帰を改善しなかった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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