HOKUTO編集部
8ヶ月前

進行性肺線維症 (PPF) を対象に、 ホスホジエステラーゼ4B (PDE4B) 阻害薬nerandomilastの有効性および安全性を評価した第Ⅲ相プラセボ対照二重盲検無作為化比較試験FIBRONEER-ILDの最終解析結果から、 急性増悪、 呼吸器関連入院、 死亡のリスクが低減した。 オランダ・Erasmus University Medical CenterのMarlies S. Wijsenbeek氏が発表した。
PPFは死亡率が高く、 予後不良な疾患群とされる。 PPFに対して承認されている唯一の治療薬はチロシンキナーゼ阻害薬ニンテダニブだが、 副作用が多く、 新規治療薬の開発が求められている。
nerandomilastは抗炎症および抗線維化作用を併せ持つ新たな経口薬として開発された。 主要評価項目は52週時点での努力性肺活量(FVC)変化量であり、 9mgと18mgの両用量群とも既に有意な改善が示されている¹⁾。 今回、 全患者が治療終了時の来院を終えた 「最終データベースロック」 後における同薬の評価について、 最終解析結果が報告された。
対象は、 %FVC≧45%、 %DLco (肺拡散能) ≧25%のPPF患者だった。
1,176例が以下の3群に1 : 1 : 1で無作為に割り付けられた。
本最終解析は、 全ての患者が治療終了時の来院を完了した後に実施され (最終データベースロック)、 初回急性増悪、 呼吸器関連入院、 死亡などのイベント発生までの時間におけるnerandomilastの有効性および安全性を評価した。
最終データベースロック時点において、 試験薬の平均曝露期間は15.1ヵ月、 平均追跡期間は17.0ヵ月だった。 死亡イベント数は134件 (初回報告時107件)、 急性増悪・呼吸器関連入院・死亡の複合イベント数は372件 (同 327件) だった。
急性増悪または死亡、 呼吸器関連入院または死亡、 死亡単独などの複数のイベントリスクは、 9mg群と18mg群のいずれもプラセボ群に比べ有意に低下した。 各群のプラセボ群と比較したハザード比 (HR) は以下の通りである。
急性増悪または死亡までの時間
呼吸器関連入院または死亡までの時間
死亡までの時間
ニンテダニブ併用有無別のサブ解析結果から、 ニンテダニブ非併用群では、 9mg群と18mg群のいずれも有意なリスク低減が認められた。 一方ニンテダニブ併用群では、 リスクの低減傾向は見られたものの、 両群ともプラセボ群との間で有意差は認められなかった。 同イベントに対する各群のHRは以下の通りである。
全患者
ニンテダニブ併用群
ニンテダニブ非併用群
安全性プロファイルは52週時点の結果と一貫しており、 新たな安全性シグナルは認められなかった。
Wijsenbeek氏は 「本試験の結果は、 PPF治療における大きな進歩を示すものである」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。