HOKUTO編集部
6日前

EGFR exon 20挿入変異 (ex20ins) 陽性の未治療転移性非小細胞肺癌 (NSCLC) を対象に、 ex20ins選択的チロシンキナーゼ阻害薬 (TKI) zipalertinibと化学療法の併用を化学療法単独を対照に検証した第Ⅲ相無作為化比較試験REZILIENT 3の事前に規定された中間解析の結果から、 PFSの有意な延長が示された。 シンガポール・Duke-NUS Medical SchoolのDaniel S.W. Tan氏が発表した。
EGFR ex20insは、 EGFR変異の5~10%を占め、 EGFR標的薬への反応が不均一である。 1次治療では、 アミバンタマブ+化学療法と、 ex20ins選択的EGFR-TKIであるsunvozertinib単剤が、 それぞれ化学療法に比べPFSを延長している。
zipalertinibは、 EGFR ex20insへの選択性が高い経口TKIで、 第Ⅰ/Ⅱ相試験では確定奏効率35.2%を示した。
対象は、 局所検査でEGFR ex20insが確認された未治療の転移性NSCLC患者で、 ECOG PS 0~1かつ安定した脳転移を有する患者も登録可能とした。 24ヵ国122施設から279例を登録し、 以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けた。
主要評価項目は盲検独立中央判定 (BICR) による無増悪生存期間 (PFS)、 副次評価項目は全生存期間 (OS)・奏効率 (ORR)・奏効期間 (DoR)・安全性などとした。 今回は、 122件のPFSイベント発生時点に実施された事前規定の中間解析で、 データカットオフは2026年5月29日だった。
追跡期間中央値10.9ヵ月時点で、 BICR判定によるPFS中央値は、 zipalertinib群14.5ヵ月 (95%CI 12.9-21.4ヵ月)、 化学療法群8.5ヵ月 (95%CI 7.0-10.9ヵ月) であり、 zipalertinib併用によりPFSが有意に延長した (HR 0.50 [95%CI 0.34–0.73]、 片側p=0.00015)。
BICR判定による奏効率 (ORR) は、 zipalertinib群65.0%、 化学療法群40.3%で、 zipalertinib群が有意に高かった (p<0.0001)。 病勢制御率 (DCR) はそれぞれ89.3%、 81.3%、 奏効期間中央値は14.2ヵ月、 9.9ヵ月だった。
OSはデータがimmatureで、 中央値は両群とも未到達だった (HR 0.72 [95%CI 0.42–1.23]、 片側p=0.11082)。 化学療法群で病勢進行した53例のうち34例 (64.2%) が、 zipalertinibへクロスオーバーした。
治療関連有害事象 (TRAE) の発現はzipalertinib群98.6%、 化学療法群88.2%、 Grade≧3のTRAEはそれぞれ80.7%、 40.4%だった。 zipalertinib群で多かったGrade≧3の有害事象は、 貧血 (48.6%)、 好中球減少 (33.6%)、 血小板減少 (30.0%) で、 血球減少は主にプラチナ製剤併用中の最初の4サイクルに認められた。 死亡に至ったTRAEは3例 (2.1%) vs 0例だった。
Tan氏は、 「zipalertinib+プラチナ併用化学療法は、 EGFR ex20ins陽性転移性NSCLCの1次治療における、 有効性の高い新たな選択肢となり得る」 と報告した。 なお、 有害事象プロファイルとOSへの効果については、 さらなる検討が必要である。
【解説】Ex20ins陽性NSCLCに"初回TKI"は成立するか
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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