HOKUTO編集部
9日前
活動性の乾癬性関節炎 (PsA) において、 経口チロシンキナーゼ2 (TYK2) 阻害薬デュークラバシチニブの有効性および安全性について、 プラセボを対照に検証した第Ⅲ相プラセボ対照二重盲検無作為化比較試験POETYK PsA-2の結果より、 16週目のACR20達成割合を有意に改善した。 米・Providence Swedish Medical Center and University of WashingtonのPhilip J. Mease氏が発表した。
デュークラバシチニブは、 活動性PsAの治療を目的として開発中の第1世代経口選択的TYK2阻害薬である。 中等度から重度の尋常性乾癬においては、 4年を超える長期データも報告されており、 日本で同薬は 「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、 膿疱性乾癬および乾癬性紅皮症」 を適応として2022年9月に承認されている。
POETYK PsA-2試験の対象は、 bDMARD未使用またはTNF阻害薬に不応 (TNF-IR) で、 疾患活動性*を有するPsA (CASPAR分類基準) 患者だった。
729例を以下の3群に3 : 3 : 1で無作為に割り付けた。 16週まではプラセボ対照期間、 16~52週は有効性評価期間 (~52週が二重盲検期間)、 52~156週は任意の継続投与期間として3群ともデュークラバシチニブ投与が許可され、 160週までが安全性追跡期間とされた。
主要評価項目は、 16週目にACR20を達成した患者割合だった。
年齢中央値、 BMI、 性別、 人種などの患者背景は3群間で概ねバランスが取れていた。 平均罹患期間はデュークラバシチニブ群が5.0年、 プラセボ群が5.9年、 アプレミラスト群が4.7年で、 hsCRPの平均値はそれぞれ11.7mg/L、 12.2mg/L、 10.3mg/Lだった。
ベースライン時にcsDMARDsが投与されていた患者は62.2%、 62.8%、 64.8%で、 TNF阻害薬の投与歴ありは12.5%、 14.4%、 13.3%だった。
16週目にACR20を達成した患者割合は、 プラセボ群の39.4%と比較し、 デュークラバシチニブ群では54.2%と有意に改善した(p=0.0002)。 安全性参照群であるアプレミラスト群は41.9%だった。
さらに52週目時点での同割合は、 デュークラバシチニブ群が62.2%、 プラセボ群 (デュークラバシチニブ切り替え後) が67.3%、 アプレミラスト群が52.4%だった。
16週目にACR50を達成した患者割合は、 デュークラバシチニブ群が28.8%、 プラセボ群が16.3%で、 ACR70の同割合は10.6%、 5.4%だった。
また52週目において、 ACR50を達成した患者割合はそれぞれ40.7%、 43.0%で、 ACR 70の同割合は26.0%、 27.6%だった。
これらの結果より、 ACR反応を示した患者割合は28週目まで増加し、 52週目まで維持されることが示された。
重篤な有害事象 (AE) は、 デュークラバシチニブ群5.8%、 プラセボ群4.5%、 アプレミラスト群9.5%で発現し、 治療中断に至ったAEの発現率はそれぞれ4.8%、 2.7%、 12.4%だった。
Mease氏は 「デュークラバシチニブは、 PsAを対象に第Ⅲ相試験で評価された初の経口TYK2阻害薬であり、 有効かつ忍容性の高い治療薬となる可能性がある」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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