【JSMO 2024】第21回日本臨床腫瘍学会が今月開催!注目プログラムは?
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HOKUTO編集部

9ヶ月前

【JSMO 2024】第21回日本臨床腫瘍学会が今月開催!注目プログラムは?

【JSMO 2024】第21回日本臨床腫瘍学会が今月開催!注目プログラムは?
1月31日、 日本臨床腫瘍学会はプレスセミナーを開催し、 2月22~24日に名古屋市で開催される第21回日本臨床腫瘍学会学術集会 (JSMO 2024) 会長で愛知県がんセンター副院長兼乳腺科部長の岩田広治氏らが、 JSMO 2024の概要や注目演題などについて発表した。 

JSMO 2024の概要

患者のために障壁を壊し、未来を切り拓け

【JSMO 2024】第21回日本臨床腫瘍学会が今月開催!注目プログラムは?
今学術集会の概要を概説する岩田氏

今学術集会のテーマは 「Break the Borders and Beyond ~for our patients~」。 同テーマには国・立場・専門分野・職種・治療手段等のあらゆる障壁を取り払い、 世界が1つになり議論を行うことで、 その先に続く未来を切り拓いていきたいという願いが込められているという。 

応募演題数は1,258、 うち海外からの応募演題数は511 (26.5%) と過去最多で、 一般演題のほとんどが英語で発表される。 69人の海外招聘演者が来訪し、 昨年の欧州臨床腫瘍学会 (ESMO 2023) で最も注目された尿路上皮癌・EV-302/KEYNOTE-A39試験の演題発表者である英・Saint Barts Cancer InstitutのThomas Powles氏も登壇予定となる*。

*ESMO Congress 2023; October 20-24, 2023; Madrid, Spain. Abstract LBA6.

注目の8演題

今回は会長企画シンポジウムとして、 以下①~⑧のプレジデンシャルシンポジウムが実施される。 プレスセミナーでは、 各注目演題について能澤一樹氏 (愛知県がんセンターゲノム医療センターがんゲノム医療室・乳腺科部医⻑) による説明が行われた。 

また、 演題①/⑥、 および⑧に関しては、 それぞれ司会を務める武藤学氏 (京都大学腫瘍薬物治療学講座・腫瘍内科教授) と室圭氏 (愛知県がんセンター薬物療法部部長兼副院長) より演題の概要について説明が行われた。

【JSMO 2024】第21回日本臨床腫瘍学会が今月開催!注目プログラムは?
注目演題を概説する武藤氏

①Real World Data活用に向けた基盤整備

日時 : 2月22日 (木) 9:00~10:20

司会 : 清水俊雄氏 / 武藤学氏

和歌山県立医科大学内科学第三講座/京都大学腫瘍薬物治療学

演者 : 田島絵里氏 他

フラットアイアンヘルス株式会社
海外ではReal World Data (RWD) の利活用が進み、 本邦においてもそれに追随する動きがみられる。 しかし、 本邦がRWDの利活用を目指すに当たっては、 デジタル化の遅れや個人情報管理の問題、 情報のコードやデータ構造のばらつきなど多数の課題が残されている。 RWDを活用するための基盤整備に焦点をあて、 米国と本邦の基礎基盤の現状と課題について検討し、 患者データの活用に関して議論する。

②ICIで変わる、 周術期治療

日時 : 2月22日 (木) 10:30~11:30

司会 : 光冨徹哉氏 / 内藤陽一氏

近畿大学病院 / 国立がん研究センター東病院

演者 : 堀之内秀仁氏 他

国立がん研究センター中央病院呼吸器内科
癌免疫療法の最先端となる免疫チェックポイント阻害薬を使用した周術期治療について、 開発が進む癌種に焦点を当て、 術前・術後治療の考え方やエンドポイントの確立などを解説する。

③腫瘍内科医に知って欲しい外科治療進歩

日時 : 2月22日 (木) 15:30~17:00

司会 : 小寺泰弘氏 /佐治重衡氏

名古屋大学大学院消化器外科/福島県立医科大学腫瘍内科

演者 : 花井信広氏 他

愛知県がんセンター頭頸部外科部
癌薬物療法と関係の深い外科的治療 (ロボット手術、 切除後の再建方法の進歩) 等について、 各癌領域のエキスパートが解説する。

④多学際領域との協働で奏でる臨床腫瘍学の未来

日時 : 2月23日 (金) 8:20~9:50

司会 : 藤阪保仁氏/津端由佳里氏

大阪医科薬科大学内科学講座/島根大学医学部附属病院呼吸器・化学療法内科

演者 : 津端由佳里氏 他

癌診療に従事する専門職の分野横断的な対応が必要となる。 日本臨床腫瘍学会が新専門医制度を導入後は、 サブスペシャリティ取得後に腫瘍専門医取得を選択する若手医師も少なくないと考えられ、 多学際領域との協働の可能性について検討する。

⑤超高齢社会のがん医療、 日本はどうすべきか

日時 : 2月23日 (金) 9:50~11:20

司会 : 田村和夫氏/梅垣宏行氏

臨床血液・腫瘍研究会/ 名古屋大学地域在宅医療学老年科学

基調講演 : 増田淳氏

厚生労働省健康・生活衛生局がん・疾病対策課

ディスカッサント : 栁川まどか氏 他

名古屋大学医学部附属病院化学療法部
本邦における超高齢社会の癌医療の将来について行政側の取り組みを解説すると共に、 理想像の提示、 および現状の問題点や理想像に向けた取り組みについて腫瘍内科医、 老年科医とともに多角的にディスカッションを行う。 

⑥ 「臨床開発や日常診療のためのReal World Data活用を考える」

日時 : 2月24日 (土) 8:20~9:50

司会 : 宿谷威仁氏/中村健一氏

順天堂大学/国立がん研究センター中央病院

演者 : 藤本大智氏 他

和歌山県立医科大学
プレジデンシャルシンポジウム①に続き、 Real World Dataの利活用について、 米国と本邦の現状、 新規薬剤の承認申請に関する情報をさまざまな立場から共有し、 今後の臨床開発や日常診療のためのReal world data活用法を探る。

⑦ 「がん診療は集約化か均てん化か」

日時 : 2月24日 (土) 13:45~15:15

司会 : 若尾文彦氏/南博信氏

国立がん研究センターがん対策情報センター本部/神戸大学腫瘍・血液内科学分野

演者 : 春名健伍氏 他

厚生労働省健康・生活衛生局がん・疾病対策課

ディスカッサント : 安藤雄一氏 他

名古屋大学医学部附属病院化学療法部
癌診療の均てん化と集約化のバランスを今後どのように取るべきか、 地域がん診療拠点病院における役割分担の明確化、 診療連携、 教育研修等のネットワーク構築等における課題を様々な視点から議論する。

⑧ 「新規薬剤開発における新しいドラッグロス」

【JSMO 2024】第21回日本臨床腫瘍学会が今月開催!注目プログラムは?
注目演題を概説する室氏

日時 : 2月24日 (土) 9:50~11:50

司会 : 室圭氏/土井俊彦氏

愛知県がんセンター薬物療法部/国立がん研究センター先端医療開発センター

基調講演 : 山本昇氏

国立がん研究センター中央病院

演者 : Yeon Hee Park氏 他

Samsung Medical Center, Sungkyunkwan University
海外では新興ベンチャー企業による新規薬剤の創出が増加しているものの、 それらの企業が本邦に開発拠点を設けていないなどの背景から、 欧米では承認されている一方で日本では未承認の薬剤が増加している (ドラッグ・ロス)。 そのため、 国内だけでは治験を行えない希少疾患(がん)、 小児適用薬などの開発が大きな問題となっている。 
また、 最近ではドラッグ・ラグ期間は短縮傾向にあるものの、 その期間は平均16.4ヵ月、 海外と国内で企業が異なる場合は44.9ヵ月と依然⻑いラグが残る。 
このような本邦が直面する喫緊の問題 「ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロス」 の危機感を共有し、 解消に向けた課題や取り組みについて様々な視点から議論する。

JSMO 2024開催概要

会長

岩田広治

愛知県がんセンター副院長兼乳腺科部長

開催形態

ハイブリッド開催

会期

現地・ライブ配信

2024年2月22日 (木) ~24日 (土)

オンデマンド配信

2024年3月1日 (金) ~3月29日 (金) 17:00

※教育講演のみ2024年2月22日 (木) より配信開始

会場

名古屋国際会議場

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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