海外ジャーナルクラブ
2日前

Kleinらは、 心血管リスクの高い2型糖尿病患者を対象に、 経口の非ペプチド性GLP-1受容体作動薬であるオルホルグリプロンの心血管安全性を、 インスリン グラルギンを対照とした第Ⅲ相非盲検無作為化比較試験ACHIEVE-4で比較検討した。 その結果、 主要評価項目の主要心血管イベント (MACE-4) はオルホルグリプロン群で4.2%、 インスリン グラルギン群で5.0%に発生し (HR 0.84, 95%CI 0.59-1.20)、 インスリン グラルギンに対するオルホルグリプロンの非劣性が示された。 試験結果はLancet誌に発表された。
MACE-4およびMACE-3は臨床的重要性の異なるイベントを統合しており、 各構成要素の治療効果や統計学的検出力に限界があります。
経口GLP-1アナログ、 orforglipronがFDA承認
orforglipron、 SGLT2阻害薬に優越 : ACHIEVE-2
2型糖尿病へのorforglipron、 経口セマグルチドに非劣性
orforglipron、 2型DM合併肥満で有効 : ATTAIN‑2
一部のペプチド性GLP-1受容体作動薬については心血管系への有益性が確立されているが、 非ペプチド性GLP-1受容体作動薬の心血管安全性はこれまで検討されていなかった。
本試験は、 心血管リスクが高く肥満または過体重を伴う2型糖尿病患者を対象に経口の非ペプチド性GLP-1RAであるオルホルグリプロンの主要心血管イベント (MACE) への影響をインスリン グラルギンと比較することを目的とした。
本試験は16の国と地域の317施設で実施された、 イベント駆動型の多施設共同・非盲検・第Ⅲ相無作為化比較試験 (実薬対照、 並行群間) である。 対象は、 心血管リスクの高い成人2型糖尿病患者で、 HbA1c 7.0~10.5% (53~91 mmol/mol)、 BMI 25 kg/m²以上、 最大3剤の血糖降下薬 (メトホルミン、 スルホニル尿素薬、 SGLT2阻害薬) により治療中の患者とした。 全例が心血管疾患または慢性腎臓病 (CKD) を有していた。
患者は以下の2群に1:1で無作為化され、 いずれも1日1回投与された。
主要評価項目は心血管死、 非致死性心筋梗塞、 非致死性脳卒中、 不安定狭心症による入院の4項目からなる主要心血管イベント (MACE-4) の初発までの期間とした。 オルホルグリプロン群のインスリン グラルギン群に対するHRの両側95%信頼区間 (CI) の上限が1.8未満であれば非劣性とした。 解析対象は割り付けた治療を1回以上受けた全患者*とした。
2023年5月1日~2024年9月5日に2,749例が無作為化された (オルホルグリプロン群1,371例、 インスリン グラルギン群1,378例)。 1,032例 (38%)が女性、 1,717例 (62.5%) が男性であった。 2,362例 (85.9%) が心血管疾患、 1,033例 (37.6%) がCKDを有していた。 ベースラインの平均年齢は63.1歳 (SD 9.9)、 HbA1cの平均値は8.2% (SD 1.0)、 BMIの平均値は33 kg/m² (SD 6.2) であった。
追跡期間中央値2年でMACE-4はオルホルグリプロン群で1,358例中57例 (4.2%)、 インスリン グラルギン群で1,343例中67例 (5.0%) に発生し、 オルホルグリプロンはインスリン グラルギンに対する非劣性基準を満たした (HR 0.84, 95%CI 0.59-1.20, 非劣性p<0.0001)。
消化器系有害事象はオルホルグリプロン群で1,371例中851例 (62.1%)、 インスリン グラルギン群で1,355例中193例 (14.2%) にみられ、 オルホルグリプロン群における最も多い有害事象かつ最も多い投与中止理由であった。 臨床的に重要な低血糖または重度の低血糖 (血糖<3 mmol/L [54 mg/dL]) はインスリン グラルギン群の260例 (19.2%) に対してオルホルグリプロン群では93例 (6.8%) と少なかった。
試験期間中の死亡は62例で、 オルホルグリプロン群19例 (1.4%)、 インスリン グラルギン群43例 (3.2%) であった。 インスリン グラルギン群の1例を除き、 すべての死亡は治療との関連はないと判定された。
著者らは、 「心血管リスクが高い2型糖尿病患者において、 オルホルグリプロンはMACE-4でインスリン グラルギンに対する非劣性を示し、 心血管安全性が確認された。 オルホルグリプロン群では消化器系有害事象が最も頻度の高い有害事象であり、 治療中止の最も一般的な理由でもあった。 一方、 臨床的に重要な低血糖の頻度はインスリン グラルギン群よりも低かった。 この結果は、 オルホルグリプロンが心血管リスクの高い2型糖尿病患者に対する1日1回の経口投与の治療選択肢となり得ることを示すものである」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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