【TAISHAN-302】再発SCLC、 B7-H3標的ADC 「Tam-Peli」で死亡リスク54%減
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HOKUTO編集部

6日前

【TAISHAN-302】再発SCLC、 B7-H3標的ADC 「Tam-Peli」で死亡リスク54%減

【TAISHAN-302】再発SCLC、 B7-H3標的ADC 「Tam-Peli」で死亡リスク54%減
プラチナ製剤ベース化学療法±免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) による1次治療後に再発した小細胞肺癌 (SCLC) 患者を対象に、 B7-H3標的抗体薬物複合体 (ADC) tambotatug pelitecan (Tam-Peli) の有効性と安全性について、 ノギテカン (topotecan) を対照として比較した非盲検第Ⅲ相無作為化比較試験TAISHAN-302の中間解析が行われた。 その結果、 ノギテカン群と比べてTam-Peli群では主要評価項目の全生存期間 (OS) が有意に延長し、 死亡リスクが54%低下したことが明らかになった。 中国・Sun Yat-sen University Cancer CenterのLi Zhang氏が発表した。 同試験の詳細は、 N Engl J Med 誌2026年9月12日オンライン版¹⁾に掲載された。

背景

再発SCLCの2次治療、 ノギテカンの効果は限定的

SCLCの治療における課題として、 プラチナ製剤+エトポシド+免疫チェックポイント阻害薬による1次治療後の再発例に対する治療選択肢が限られている点が挙げられる。 また、 再発SCLCの標準的な2次治療薬としてはノギテカンが選択肢の1つとなってきたが、 その生存延長効果は限定的である。 一方、 前臨床試験および第Ⅰ/Ⅱ相試験において、 SCLCで高発現するB7-H3を標的とする新規ADCのTam-Peliが再発SCLCに対する活性で有望な結果を示している。

試験の概要

451例をTam-Peli群とノギテカン群に1:1で割り付け

本試験は、 中国85施設で実施された非盲検第Ⅲ相無作為化比較試験である。 本試験ではプラチナ製剤ベースの1次治療後に増悪したECOG PS 0/1のSCLC患者451例を、 以下の2群に1:1で無作為に割り付けた。

 ・Tam-Peli群 : 225例

   Tam-Peli 2.0mg/kgを3週ごとに投与

 ・ノギテカン群 : 226例

   ノギテカン1.2mg/m²を1~5日目に3週ごとに投与

層別因子は病期、 脳転移の有無、 化学療法終了からの無治療期間 (CTFI<90日/≧90日) であった。

主要評価項目はOS、 主要な副次評価項目は治験担当医師評価による無増悪生存期間 (PFS) と奏効率 (ORR) であった。

試験の結果

mOSはTam-Peli群13.3ヵ月 vs ノギテカン群9.4ヵ月

データカットオフ (2026年5月20日) 時点で、 主要評価項目のOS中央値は、 Tam-Peli群が13.3ヵ月 (95%CI 12.1ヵ月–NE)、 ノギテカン群が9.4ヵ月 (95%CI 7.7–10.5ヵ月) であり、 ノギテカン群と比べてTam-Peli群では死亡リスクが54%低減した (HR 0.46 [95%CI 0.35–0.62]、 p<0.0001)。

OSの改善は全サブグループで一貫して認められ、 脳転移例 (HR 0.43)、 肝転移例 (HR 0.34)、 CTFI<90日の例 (HR 0.44) でも同様の結果が得られた。

PFS中央値はTam-Peli群7.4 vs ノギテカン群2.8ヵ月

主要な副次評価項目であるPFS中央値はTam-Peli群が7.4ヵ月 (95%CI 6.1–7.6ヵ月)、 ノギテカン群が2.8ヵ月 (95%CI 1.8–3.0ヵ月) で、 ノギテカン群と比べてTam-Peli群では進行または死亡のリスクが71%低下した (HR 0.29 [95%CI 0.23–0.37]、 p<0.0001)。

確定ORRはTam-Peli群が59.1% (95%CI 52.4–65.6%)、 ノギテカン群が9.7% (95%CI 6.2–14.4%) であった (p<0.0001)。

頭蓋内病変を有した143例の探索的解析からは、 頭蓋内PFS中央値はTam-Peli群が6.1ヵ月 (95%CI 5.7–7.8ヵ月)、 ノギテカン群が4.2ヵ月 (95%CI 2.8–5.6ヵ月) であり、 ノギテカン群と比べてTam-Peli群で良好な傾向が認められた (HR 0.43 [95%CI 0.27–0.68]、 名目p=0.0002)。 頭蓋内の確定ORRはTam-Peli群が32.4% (95%CI 22.0–44.3%)、 ノギテカン群が2.9% (95%CI 0.4–10.1%) であった (名目p<0.0001)。

Grade≧3のTRAEはTam-Peli群46.4% vs ノギテカン群74.7%

Grade≧3の治療関連有害事象 (TRAE) はTam-Peli群で46.4%、 ノギテカン群で74.7%にみられた。 治療中止に至ったTRAEはTam-Peli群で5.8%、 ノギテカン群で2.8%、 治療関連死はTam-Peli群で0例、 ノギテカン群で1例に発生した。 Tam-Peli群のGrade≧3のTRAEは好中球減少 (21.0%)、 白血球減少 (19.2%)、 血小板減少 (12.5%) など血液毒性が中心であった。 間質性肺疾患 (ILD)/肺臓炎はTam-Peli群で4.9%、 ノギテカン群で1.4%に発現し、 Grade 3は両群ともに0.9%に発現したが、 Grade 4/5はなかった。

結論

再発SCLCの新たな標準治療薬となる可能性示す

Zhang氏は、 「再発SCLC患者において、 Tam-Peliはノギテカンと比べてOS、 PFS、 確定ORRの統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善をもたらした。 生存ベネフィットは脳転移例やCTFIの長短を問わず全サブグループで一貫して認められた。 また、 Tam-Peliの安全性プロファイルは全般的に良好で管理可能であり、 新たな、 または予期しない安全性シグナルは認められなかった」 と結論。 その上で、 「本試験の結果から、 B7-H3標的ADCであるTam-Peliは再発SCLCに対する新たな標準治療となる可能性が示された」 と述べた。

出典

1) N Engl J Med. 2026年9月12日オンライン版

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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