海外ジャーナルクラブ
7ヶ月前
Kwakらは、 限局性前立腺癌の患者を対象に、 放射線療法 (RT) 終了後6ヵ月時点の前立腺特異抗原 (PSA) 最低値と長期予後の関連を無作為化比較試験の個別患者データ解析で検討した。 その結果、 RT終了後6ヵ月間のPSA最低値が≧0.1ng/mLの場合、 予後不良と関連することが示唆された。 本研究は、 J Clin Oncol誌において発表された。
7割程度の患者が2000年以前に割り付けされた研究に参加していたことや、 <0.2ng/mLのアッセイ検出限界以下の値を示している場合には0.1~0.2ng/mLの値を示している可能性があることがlimitationとして挙げられています。
RT単独、 もしくはRT+アンドロゲン除去療法 (ADT) を受けた限局性前立腺癌の患者
患者は以下の3群に無作為に分類された。
無作為化後12ヵ月時点からの無転移生存期間 (MFS)、 前立腺癌特異的死亡率 (PCSM)、 全生存期間 (OS)
PSA≧0.1ng/mLは短いMFSとOS、 および高いPCSMと関連していた。
MFS : 2.24 (95%CI 1.21-4.16)
OS : 1.72 (同0.97-3.05)
PCSM (部分分布HR) : 1.82 (同0.51-6.49)
MFS : 1.27 (95%CI 1.12-1.44)
OS : 1.26 (同1.11-1.44)
PCSM (部分分布HR) : 2.10 (同1.52-2.92)
MFS : 1.58 (95%CI 1.27-1.96)
OS : 1.59 (同1.27-1.99)
PCSM (部分分布HR) : 1.97 (同1.11-3.49)
RT単独群
RT+短期ADT群
RT+長期ADT群
Kwakらは、 「限局性前立腺癌に対しRT単独、 またはRT+ADT治療を受けた患者では、 RT終了後6ヵ月以内のPSA≧0.1ng/mLが予後不良と関連していた。 これらの結果は、 患者へのカウンセリングやRT+ADTと併用する新規全身療法などを評価する臨床試験デザインに活用することができる」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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