海外ジャーナルクラブ
8ヶ月前
Parkらは、 切除不能なStage Ⅲの非小細胞肺癌 (NSCLC) の高齢患者 (70歳以上) を対象に、 化学放射線療法 (CRT) 後の抗PD-L1抗体デュルバルマブによる地固め療法の有効性および安全性を後ろ向き研究で検討した。 その結果、 CRT後のデュルバルマブ地固め療法は70歳以上の高齢患者においても有効であったが、 有害事象の発生率は若年患者より高かった。 本研究は、 Clinical Lung Cancer誌に掲載された。
どの領域でも高齢者について解析する機会が増えてきました。 本研究の解析結果並びに結論の表現はその模範解答のような記載ですので参考になると思います。
第Ⅲ相PACIFIC試験において、 CRT後のデュルバルマブ地固め療法の生存ベネフィットが示されたが、 70歳以上の高齢患者における有効性と安全性のデータは不足している。
CRT後にデュルバルマブ地固め療法を受けた切除不能なStageⅢのNSCLC患者 : 286例
無増悪生存期間 (PFS)、 全生存期間 (OS)、 安全性
70歳未満群 : NR
70歳以上群 : 35.7ヵ月
70歳以上群において有意に低かった。
p=0.040
70歳以上群
ECOG PS 0または1のサブグループではPFSが良好であり、 シスプラチンベースのCRTを実施したサブグループはOSが良好であった。 一方で、 男性の患者はOSが不良であった。
70歳未満群
PD-L1≧50%がPFSおよびOSの改善と関連していた。
治療関連有害事象、 Grade3・4の有害事象、 治療の完全中止、 治療関連死については、 いずれも70歳以上群で多かった
著者らは、 「デュルバルマブの治療成績は、 若年患者と比較して高齢者でも同様であった。 しかし、 有害事象の発生率は高齢患者においてより多かった。 したがって、 患者および化学療法の選択は慎重に行うべきであり、 注意深い有害事象モニタリングが求められる」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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