海外ジャーナルクラブ
2年前
Dryden-Petersonらは、 発症早期のCOVID-19外来患者を対象に、 ニルマトルビル+リトナビル併用の効果をコホート研究で検討 (EPIC-HR試験) 。 外来でCOVID-19と診断された後の入院または死亡の全リスクは1%と低かったが、 ニルマトルビル+リトナビルはこのリスクをさらに低下させた。 本研究は、 Ann Intern Med誌において発表された。
サブグループ解析を見ますと、 結局はワクチン打っていない患者さんに効果がありそうですね。 救急現場ではいまだにワクチン打っていないCOVID-19患者さんを診療する機会が多いですので、 重症化リスクがある場合には投与を積極的に考えたいです。
第ニの経口治療薬であるパキロビッド®の注意点 (新型コロナウイルス治療薬)
EPIC-HR試験において、 ニルマトルビル+リトナビルは、 ワクチン未接種の早期COVID-19外来患者において、 入院または死亡を89%減少させることにつながった。 ワクチン接種を受けた集団におけるニルマトルビル+リトナビルの臨床的影響については不明である。
COVID-19を発症し、 ニルマトルビル+リトナビルの禁忌がない50歳以上の非入院成人患者:44,551名。
COVID-19の診断から14日以内の入院または28日以内の死亡の複合。
対象者の28.1% (12,541名) にニルマトルビル+リトナビルが処方され、 71.9% (32,010名) に処方されなかった。
ニルマトルビル+リトナビルを処方された患者は、 高齢者、 併存疾患が多い、 ワクチン接種を受けているなどの傾向があった。
ニルマトルビル+リトナビルを処方された患者は、 入院および死亡のリスクを低くしていた。
COVID-19ワクチン、 診断検査、 および治療へのアクセスの差による交絡が残存する可能性。
外来でCOVID-19と診断された後の入院または死亡の全リスクはすでに1%と低かったが、 ニルマトルビル+リトナビルはこのリスクをさらに減少させた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。