【Blood Adv】難治性/再発性B-ALL患者へのチサゲンレクルユーセル投与、高容量ほど転帰改善に効果
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海外ジャーナルクラブ

2年前

【Blood Adv】難治性/再発性B-ALL患者へのチサゲンレクルユーセル投与、高容量ほど転帰改善に効果

【Blood Adv】難治性/再発性B-ALL患者へのチサゲンレクルユーセル投与、高容量ほど転帰改善に効果
Stefanskiらは, 難治性/再発性B細胞性急性リンパ芽球性白血病 (B-ALL) を対象に, CD19を標的としたCAR-T療法チサゲンレクルユーセルが患者転帰に与える影響を用量別に検討. その結果, 高容量のチサゲンレクルユーセルを投与されたほど, 全生存期間 (OS), 無イベント生存期間 (EFS), 無再発生存期間 (RFS) が改善されることが明らかとなった. 本研究は, Blood Adv誌において発表された. 

📘原著論文

Stefanski H, et al, Higher doses of tisagenlecleucel associate with improved outcomes: a report from the pediatric real-world CAR consortium. Blood Adv. 2022 Aug 8;bloodadvances.2022007246. PMID: 35938863

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

治療効果を今更調べる研究ではありませんが, 試験薬剤のdose dependencyがしっかりと示されており, 効果も確かなものと言えると思います. 本試験結果からは高容量投与が望ましいと言えそうです.


背景

CD19を標的としたCAR-T療法であるチサゲンレクルユーセルは, 26歳までのB-ALL患者に対して顕著な完全奏効 (CR) 率を示し, この適応でFDAに承認された. 現在, 患者は, 体重50kg以下の場合, 体重1kg当たり0.2-5.0×10⁶個, 体重50kg以上の患者では体重1kg当たり0.1-2.5×10⁸個という広い用量範囲でチサゲンレクルユーセルを投与されているが, 投与量が生存率と寛解に及ぼす影響については, まだ十分に検討されていない.

研究デザイン

  • PRWCC加盟施設から収集されたデータをもとに, チサゲンレクルユーセルを注入された185名のB-ALL患者が検討された.
  • 生着したCAR-T細胞の投与量の中央値は患者の体重1kg当たり1.7×10⁶個であった.
  • 細胞量の影響を評価するため, 反応者を四分位に分けて評価した.
  • D1:0.134-1.300×10⁶個 (27%:48名)
  • D2:1.301-1.700×10⁶個 (26%:46名)
  • D3:1.701-2.400 ×10⁶個 (24%:43名)
  • D4:2.401-5.100×10⁶個 (24%:43名)

研究結果

  • OS, EFS, RFSは, より高用量のチサゲンレクルユーセを投与された患者で改善された.
それぞれp=0.031, 0.0079, 0.0045
  • チサゲンレクルユーセルの高用量投与は毒性の増加と関連していなかった.

結論

現在のチサゲンレクロイセルの添付文書では, 投与量の範囲がまだ広いため, この研究は, 患者を長期寛解に最適化するにあたってより高い細胞投与量を目標とすることを示している.

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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