海外ジャーナルクラブ
2年前
Stefanskiらは, 難治性/再発性B細胞性急性リンパ芽球性白血病 (B-ALL) を対象に, CD19を標的としたCAR-T療法チサゲンレクルユーセルが患者転帰に与える影響を用量別に検討. その結果, 高容量のチサゲンレクルユーセルを投与されたほど, 全生存期間 (OS), 無イベント生存期間 (EFS), 無再発生存期間 (RFS) が改善されることが明らかとなった. 本研究は, Blood Adv誌において発表された.
治療効果を今更調べる研究ではありませんが, 試験薬剤のdose dependencyがしっかりと示されており, 効果も確かなものと言えると思います. 本試験結果からは高容量投与が望ましいと言えそうです.
CD19を標的としたCAR-T療法であるチサゲンレクルユーセルは, 26歳までのB-ALL患者に対して顕著な完全奏効 (CR) 率を示し, この適応でFDAに承認された. 現在, 患者は, 体重50kg以下の場合, 体重1kg当たり0.2-5.0×10⁶個, 体重50kg以上の患者では体重1kg当たり0.1-2.5×10⁸個という広い用量範囲でチサゲンレクルユーセルを投与されているが, 投与量が生存率と寛解に及ぼす影響については, まだ十分に検討されていない.
現在のチサゲンレクロイセルの添付文書では, 投与量の範囲がまだ広いため, この研究は, 患者を長期寛解に最適化するにあたってより高い細胞投与量を目標とすることを示している.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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