海外ジャーナルクラブ
2年前
Davidらは, アルツハイマー病 (AD) 患者を対象に, ノルアドレナリン作動薬が認知機能, 精神神経症状の改善に与える効果を検討するため, 無作為化比較試験19件の系統的レビューとメタ解析を実施. その結果, ノルアドレナリン作動薬の使用は, ADにおける一般的な認知機能や無気力 (アパシー) に対し, 効果的な治療を提供する可能性が高いことが明らかとなった. 本研究は, J Neurol Neurosurg Psychiatry誌において発表された.
認知症治療薬の開発は世界的な注目であり, 今後の成果が期待されます.
AD初期には, 青斑核ーノルアドレナリン系の機能低下が起こり, 一部の患者では認知症状や精神神経症状の一因となる. この系は治療のターゲットとなりうるが, 現在までにノルアドレナリン系の治療薬は臨床で使用されていない.
MEDLINE,Embase,ClinicalTrials.govのデータベースにて対象となる研究を検索し、ランダム効果メタアナリシスを用いてプール推定値を作成した.
既存のノルアドレナリン作動薬の利用は, ADにおける一般的な認知機能やアパシ-に対する効果的な治療を提供する可能性が最も高いと考えられる. しかし, 今後の臨床試験をデザインする前に, いくつかの要因を考慮する必要がある. その中には, 適切な患者サブグループを対象とすること, リスクを最小限に抑え治療効果を最大化するために個々の薬剤の用量・効果や他の治療法との相互作用を理解することなどが含まれる.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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