HOKUTO編集部
1日前
大腸癌研究会は12月5日、 『大腸癌治療ガイドライン医師用2024年版』における『切除不能進行・再発大腸癌に対する薬物療法』に追記すべき薬剤として、 RET融合遺伝子陽性の進行・再発の固形腫瘍に対するセルペルカチニブ療法を挙げ、 ガイドライン委員会のコメントを発表。 RET融合遺伝子陽性大腸癌に対するセルペルカチニブが、 2次治療以降の最適な治療ラインで治療選択肢として推奨されるとの見解を示した。
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RET阻害薬セルペルカチニブ (商品名レットヴィモ) は 「RET融合遺伝子陽性の進行・再発の固形腫瘍」 に対する治療薬として2024年6月に本邦で適応追加が承認された。 今回の承認は、 RET融合遺伝子陽性の進行・転移固形癌患者を対象としたセルペルカチニブ療法の国際共同第Ⅰ/Ⅱ相試験LIBRETTO-001の結果に基づく¹⁾。
LIBRETTO-001試験では、 2017年12月~21年8月に、 45例が第Ⅰ相用量漸増パートおよび第Ⅱ相パートに登録された。 41例の有効性解析対象集団における結果は以下のとおりで、 RET融合遺伝子陽性の患者集団においてセルペルカチニブは臨床的意義のある効果を示し、 安全性プロファイルも既報と同様であることが確認された。
奏効率 (ORR) : 43.9% (95%CI 28.5-60.3)
Grade 3以上の有害事象の発現割合
治療に関連する重篤な有害事象
40% (45例中18例) に発現したが、 治療に関連する死亡は確認されなかった。
セルペルカチニブはLIBRETTO-001試験の結果を受けて、 2024年6月に 「RET融合遺伝子陽性の進行・再発の固形腫瘍」 を効能・効果として適応追加承認された。
なお、 RET融合遺伝子を有する進行・再発固形腫瘍に対するセルペルカチニブのコンパニオン診断薬等として、 「FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル」 が承認されている。一方、 他の包括的がんゲノムプロファイリング検査でも、 RET融合遺伝子の検出は可能であり、 エキスパートパネルにより適切であると判断された場合には、 あらためてコンパニオン検査を行うことなくセルペルカチニブの投与が可能であるとされている (令和元年6月4日疑義解釈資料)。
¹⁾ Lancet Oncol. 2022; 23: 1261-1273.
²⁾ Cancer Sci. 2022; 113: 308-318.
³⁾ Oncotarget 2015; 6: 28929-37.
⁴⁾ Int J Mol Sci. 2023; 24: 13610.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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