海外ジャーナルクラブ
1年前
Sacherらは、 KRAS G12C変異陽性固形癌の患者を対象に、 KRAS G12C阻害薬divarasib (GDC-6036) の有効性を第Ⅰ相試験GO42144で検討。 その結果、 divarasibによる治療は持続的な臨床効果を示し、 有害事象のほとんどは低グレードであった。 本研究は、 NEJM誌において発表された。
P1 study(第Ⅰ相試験)でNEJM掲載論文です。 In vitroでは、 ソトラシブやadagrasibに比べて5~20倍の効力と50倍の選択性とのことです。
divarasib (GDC-6036) は、 共有結合型のKRAS G12C阻害薬で、 以前の報告によりソトラシブやadagrasibよりも高い効力と選択性を示すことが報告されていた。
KRAS G12C変異を有する既治療の局所進行または転移を有する固形癌患者:137例
divarasib 50~400mgを1日1回経口投与
安全性
いずれの用量においても、 用量制限毒性および治療関連死は報告されなかった。
治療関連有害事象は93%に発現した。
主な有害事象
グレード3の治療関連有害事象は11%、 グレード4は1%に発現した。
治療関連の有害事象により、 14% (19例) で用量が減量され、 3% (4例) で治療が中止された。
非小細胞肺癌
大腸癌患者
その他の癌
その他の癌においても、 奏効は観察された。
血中循環腫瘍DNAの経時的評価において、 奏効に関連するKRAS G12C変異アレル頻度の低下が示され、 divarasibに対する耐性の可能性のあるゲノム変化が特定された。
divarasibによる治療は、 KRAS G12C変異陽性固形癌に対して持続的な臨床効果を示し、 その有害事象は大部分が低グレードであった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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