【NEJM】共有結合型KRAS G12C阻害薬divarasib、既治療の固形癌で有望
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【NEJM】共有結合型KRAS G12C阻害薬divarasib、既治療の固形癌で有望

【NEJM】共有結合型KRAS G12C阻害薬divarasib、既治療の固形癌で有望
Sacherらは、 KRAS G12C変異陽性固形癌の患者を対象に、 KRAS G12C阻害薬divarasib (GDC-6036) の有効性を第Ⅰ相試験GO42144で検討。 その結果、 divarasibによる治療は持続的な臨床効果を示し、 有害事象のほとんどは低グレードであった。 本研究は、 NEJM誌において発表された。 

📘原著論文

Single-Agent Divarasib (GDC-6036) in Solid Tumors with a KRAS G12C Mutation. N Engl J Med. 2023 Aug 24;389(8):710-721. PMID: 37611121

👨‍⚕️監修医師のコメント

P1 study(第Ⅰ相試験)でNEJM掲載論文です。 In vitroでは、 ソトラシブやadagrasibに比べて5~20倍の効力と50倍の選択性とのことです。


背景

divarasib (GDC-6036) は、 共有結合型のKRAS G12C阻害薬で、 以前の報告によりソトラシブやadagrasibよりも高い効力と選択性を示すことが報告されていた。

研究デザイン

対象

KRAS G12C変異を有する既治療の局所進行または転移を有する固形癌患者:137例

  • 非小細胞肺癌:60例
  • 大腸癌:55例
  • その他の固形癌:22例

介入

divarasib 50~400mgを1日1回経口投与

主要評価項目

安全性

薬物動態、 抗腫瘍効果、 奏効および耐性のバイオマーカーに関しても評価

研究結果

用量制限毒性および治療関連死

いずれの用量においても、 用量制限毒性および治療関連死は報告されなかった。

治療関連有害事象

治療関連有害事象は93%に発現した。

主な有害事象

  • 悪心:74%
  • 下痢:61%
  • 嘔吐:58%

グレード3の治療関連有害事象は11%、 グレード4は1%に発現した。

治療関連の有害事象により、 14% (19例) で用量が減量され、 3% (4例) で治療が中止された。

抗腫瘍効果

非小細胞肺癌

  • 奏効率:53.4% (95%CI 39.9-66.7%)
  • 無増悪生存期間 (PFS) 中央値:13.1カ月

大腸癌患者

  • 奏効率:29.1% (95%CI 17.6-42.9%)
  • PFS中央値:5.6カ月

その他の癌

その他の癌においても、 奏効は観察された。

血中循環腫瘍DNAの経時的評価

血中循環腫瘍DNAの経時的評価において、 奏効に関連するKRAS G12C変異アレル頻度の低下が示され、 divarasibに対する耐性の可能性のあるゲノム変化が特定された。

結論

divarasibによる治療は、 KRAS G12C変異陽性固形癌に対して持続的な臨床効果を示し、 その有害事象は大部分が低グレードであった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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