海外ジャーナルクラブ
2年前
Singhらは、 良性胆嚢疾患の患者を対象に、 ロボット支援胆嚢摘出術と腹腔鏡下胆嚢摘出術の費用対効果を検討。 その結果、 ロボット支援胆嚢摘出術と比較し、 従来の腹腔鏡下胆嚢摘出術の方が費用対効果に優れることが明らかになった。 本研究はSurgery誌において発表された。
ロボットシステムの調達費用が組み込まれていなかったり、 さまざまな合併症が考慮されていないため正確な比較が難しいです。 ただし、 結論はSurgery誌のEditorや査読者にとって受け入れやすいものであったことは間違いありません。
腹腔鏡下胆嚢摘出術は、 良性胆嚢疾患に対する標準的な治療法である。 ロボット支援胆嚢摘出術は、 外科医が胆嚢摘出術を行うためのもう一つのアプローチであり、 可視化が容易である。 しかし、 ロボットによる胆嚢摘出術は、 臨床成績の改善を示唆する十分なエビデンスがなく、 費用が増加する可能性がある。
ロボット支援胆嚢摘出術と腹腔鏡下胆嚢摘出術の1年間の合併症発生率および有効性を、 公表文献のデータを入力した決定木 (dicision tree)モデルを使用して比較
増分費用対効果比
腹腔鏡下胆嚢摘出術は0.9722QALYを生み出し、 費用は9,370.06ドルであった。
ロボット支援胆嚢摘出術では、 さらに0.0017 QALYを生み出したが、 3,013.64ドルの追加費用が発生した。
これらの結果は、 1,795,735.21ドル/質調整生存年という増分費用対効果比に相当するものである。 これは、 支払い意思の閾値を超え、 腹腔鏡下胆嚢摘出術がより費用対効果の高い戦略であることを示している。
感度分析でも結果は変わらなかった。
従来の腹腔鏡下胆嚢摘出術は、 良性胆嚢疾患に対してより費用対効果の高い治療方法である。 現在のところ、 ロボット支援胆嚢摘出術は、 その追加費用を正当化できるほど臨床結果を改善することができていない。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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