海外ジャーナルクラブ
2年前
Leeらは、 入退院に関する臨床意思決定の支援ツールが急性心不全患者の転帰に与える影響を、 Stepped Wedgeクラスター無作為化試験で検討 (COACH試験)。 その結果、 このような支援ツールを用いることで、 通常ケアよりも全死因死亡または心血管原因による入院の複合リスクの低減につながることが明らかとなった。 本研究は、 NEJM誌において発表された。
急性心不全をERで入院させるか、 帰宅 (早期退院) させるのか……米国では心不全死亡は増加している背景がある中、 リスク層別化ツールの開発ニーズがあるようです。 本邦では、 迷ったら入院させてじっくり治療していく、 かと思いますので少し背景が違うように思います。
急性心不全の患者は、 有害事象のリスクが不明であることや、 迅速なフォローアップの選択肢が不十分であることから、 頻繁にあるいは計画的に入院させられていることが多い。 患者の入退院に関する判断を支援するツールを用い、 外来での迅速なフォローアップを併用することが転帰に影響を及ぼすかどうかは不明である。
対照期 (通常ケア) から介入期への一方向クロスオーバーの開始日をずらし、 10病院をランダムに割り付けた。
介入期では、 ポイントオブケア・アルゴリズムを用いて急性心不全患者を死亡リスクに応じて層別化した。
介入期には、 低リスクの患者は早期退院 (3日以内) して標準化された外来治療を受け、 高リスクの患者は入院した。
発症後30日以内の全死因死亡または心血管の原因による入院と、 20カ月以内の複合アウトカムとした。
合計5,452名の患者が試験に登録された。
低リスクまたは中リスクの患者:6件未満
救急医療を受診した急性心不全患者において、 臨床的意思決定と迅速なフォローアップを支援する病院ベースの戦略を用いることは、 通常のケアよりも30日以内の全死因死亡または心血管の原因による入院の複合リスクの低下につながった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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