HOKUTO編集部
2ヶ月前

CDK4/6阻害薬+内分泌療法 (ET) により病勢進行・再発が認められたエストロゲン受容体 (ER) 陽性HER2陰性進行乳癌に対する経口選択的エストロゲン受容体分解薬 (SERD) giredestrant+エベロリムスの有効性および安全性を、 標準的な内分泌療法 (SOC ET) +エベロリムスを対照として評価した国際多施設共同第Ⅲ相非盲検無作為化比較試験evERA BCにおいて、 ESR1変異陽性およびITT集団によるPFSの有意な改善が示された。 米・Dana-Farber Cancer InstituteのErica L. Mayer氏が発表した。
CDK4/6阻害薬+ETは、 ER陽性HER2陰性進行乳癌の標準1次治療であるが、 その後の有効な治療選択肢は限られている。 giredestrantとエベロリムスは、 ET抵抗性に関与するERおよびPI3K/AKT/mTOR経路を標的とする。
対象は、 CDK4/6阻害薬+ET*により病勢進行または再発が認められたER陽性HER2陰性の進行乳癌患者であった。
373例が以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。治療薬の投与は病勢進行または認容できない副作用が発現するまで行われた。
主要評価項目はESR1変異陽性集団およびITT集団におけるRECIST v1.1に基づく担当医師評価による無増悪生存期間 (PFS) であった。 主な副次評価項目は全生存期間 (OS)、 客観的奏効率 (ORR)、 奏効期間 (DoR) であった。
ITT集団およびESR1変異陽性集団におけるベースライン時の患者背景は両群間で概ねバランスが取れていた。 ITT集団における年齢中央値は、 giredestrant併用群が62歳 (範囲 27-83歳)、 SOC ET併用群が60歳 (同28-84歳)、 ESR1変異陽性はそれぞれ55.7%、 55.3%であった。
追跡期間中央値はgiredestrant併用群18.4ヵ月、 SOC ET併用群が18.7ヵ月 (データカットオフ 2025年7月16日) だった。
PFS中央値は、 ESR1変異陽性集団ではgiredestrant併用群が9.99ヵ月 (95%CI 8.08-12.94ヵ月)、 SOC ET併用群が5.45ヵ月 (同 3.75-5.62ヵ月) であり、 ITT集団ではそれぞれ8.77ヵ月 (同 6.60-9.59ヵ月)、 5.49ヵ月 (同 4.01-5.59ヵ月) と、 いずれもgiredestrant併用群で有意に改善した (ESR1変異陽性集団 : HR 0.38 [95%CI 0.27-0.54]、 p<0.0001、 ITT集団 : HR 0.56 [同 0.44-0.71]、 p<0.0001)。
両集団における探索的解析において、 ETとしてエキセメスタンとフルベストラントを選択した患者のいずれも、 PFSはgiredestrant併用群で良好だった。
サブグループ解析において、 PFSのベネフィットは、 ESR1変異陽性およびITT集団におけるサブグループの多くで一貫していた。
中間解析において、 OSはimmatureであった*。 OS中央値は、 ESR1変異陽性集団ではgiredestrant併用群がNE (95%CI 20.17ヵ月-NE)、 SOC ET併用群が21.03ヵ月 (同 14.78-26.87ヵ月)であり、 ITT集団ではそれぞれNE (同 NE-NE)、 26.87ヵ月 (同 22.21ヵ月-NE) と、 いずれも数値的な改善が認められた (ESR1変異陽性集団 : HR 0.62 [95%CI 0.38-1.02]、 p=0.0566 / ITT集団 : HR 0.69 [同 0.47-1.00]、 p=0.0473)。
giredestrant併用群 vs SOC ET併用群のORRは以下のとおりだった。
DoR中央値 (95%CI) は以下のとおりだった。
安全性プロファイルは管理可能であり、 既報と一致していた。 高頻度の主な有害事象 (AE) は、 口内炎 (giredestrant併用群 47.2% vs SOC ET併用群 48.9%)、 下痢 (26.9% vs 22.6%)、 および貧血 (23.6% vs 21.0%) であった。 高頻度の主なGrade3/4のAEは、 貧血 (6.0% vs 8.6%) であった。
Grade1の徐脈がgiredestrant併用群の3.8%、 SOC ET併用群の0.5%に報告されたが、 治療中断や中止には至らなかった。 AEにより治療中止に至った割合はそれぞれ8.2%、 6.5%であった。
Mayer氏は 「giredestrant+エベロリムスは、 CDK4/6阻害薬による治療後のER陽性HER2陰性進行乳癌に対する新たな治療選択肢となる可能性がある」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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