海外ジャーナルクラブ
8ヶ月前
Mueller氏らは、 開腹手術予定の成人患者を対象に、 術後の手術部位感染 (SSI) 予防を目的とした術中創部のポリヘキサニド溶液による灌流効果について、 多施設3群無作為化比較試験IOWISIで検証した。 その結果、 ポリヘキサニド溶液、 生理食塩水、 灌流なしの方法はいずれも術後30日以内のSSI発生率に有意差が認められなかった。 本研究はJAMA Surg誌において発表された。
本研究結果の解釈ですが、 無灌流群に比べて洗浄群はSSI発生率に有意差がないので何もしないで良いと言う結論ではなく、 3群ともに10%程度はSSIが発生しているのでなんらかの対応が必要なことは変わりません。
開腹手術後にはSSIが頻繁に起こる。 術中創部灌流による予防策は世界的に一般的な方法であるが、 この方法を支持するエビデンスは不足している。
2017年9月~2021年12月にドイツ12施設で実施された開腹手術1万1,700例からスクリーニングされた689例
閉創前の層部の予防的洗浄法により、 下記の3群に3 : 3 : 1の割合で無作為に割りつけた。
主要評価項目 : 米疾病対策センター (CDC) の定義に基づく術後30日以内のSSI
副次評価項目 : 重篤な有害事象など
ポリヘキサニド vs 生理食塩水洗浄群
HR 1.23 (95%CI 0.64-2.36)、 p=0.54
ポリヘキサニド vs 無灌流群
HR 1.19 (同 0.74-1.94)、 p=0.47
重篤な有害事象について、 3群間のいずれにおいても差は認められなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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