海外ジャーナルクラブ
4ヶ月前
Jabbourらは、 フィラデルフィア染色体陽性 (Ph陽性) 急性リンパ性白血病 (ALL) の患者を対象に、 チロシンキナーゼ阻害薬ポナチニブとイマチニブの有効性を第Ⅲ相国際共同非盲検無作為化比較試験PhALLCONで検討した。 その結果、 ポナチニブはイマチニブと比較し、 導入療法終了時の微小残存病変 (MRD) 陰性完全寛解 (CR) 率において、 イマチニブよりも優れていることが明らかとなった。 本研究は、 JAMA誌において発表された。
有意差の出にくい2:1の割り付けでも、 絶対的な有意差を証明しています。 観察期間が短いことからEFS、 OSに関しては統計的な有意差が証明できませんでしたが、 長期フォローの研究成果が期待されます。
Ph陽性ALLの1次治療では、 第1世代または第2世代のBCR-ABL1チロシンキナーゼ阻害薬に対する耐性獲得による病勢進行が一般的であるが、 ポナチニブはBCR-ABL1およびT315Iを含むすべての単一変異体を阻害する第3世代のチロシンキナーゼ阻害薬である。
新たにPh陽性ALLと診断された18歳以上の成人患者 : 245例
患者を以下の群に2 : 1の割合で無作為に割り付けた。
20サイクル投与後はポナチニブまたはイマチニブの単剤投与を実施
寛解導入 (3サイクル) 終了時のMRD陰性CR率
無イベント生存期間 (EFS)
MRD陰性CR率
ポナチニブ群が有意に高かった。
相対リスク 2.06 (95%CI 1.19-3.56)
リスク差 0.18 (95%CI 0.06-0.29、 p=0.002)
EFS中央値
事前に規定されたイベント数に達しなかった。
有害事象発現率
ポナチニブ群とイマチニブ群で同程度であった。
閉塞性動脈イベントの発現率
著者らは 「ポナチニブは、 Ph陽性ALLの成人患者において、 寛解導入療法終了時のMRD陰性CR率がイマチニブよりも優れていることが示された。 ポナチニブの安全性プロファイルはイマチニブと同等であった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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