【JAMA】Ph陽性ALLの1次治療、 ポナチニブ vs イマチニブ : 第Ⅲ相PhALLCON
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海外ジャーナルクラブ

6ヶ月前

【JAMA】Ph陽性ALLの1次治療、 ポナチニブ vs イマチニブ : 第Ⅲ相PhALLCON

【JAMA】Ph陽性ALLの1次治療、 ポナチニブ vs イマチニブ : 第Ⅲ相PhALLCON
Jabbourらは、 フィラデルフィア染色体陽性 (Ph陽性) 急性リンパ性白血病 (ALL) の患者を対象に、 チロシンキナーゼ阻害薬ポナチニブとイマチニブの有効性を第Ⅲ相国際共同非盲検無作為化比較試験PhALLCONで検討した。 その結果、 ポナチニブはイマチニブと比較し、 導入療法終了時の微小残存病変 (MRD) 陰性完全寛解 (CR) 率において、 イマチニブよりも優れていることが明らかとなった。 本研究は、 JAMA誌において発表された。

📘原著論文

Ponatinib vs Imatinib in Frontline Philadelphia Chromosome-Positive Acute Lymphoblastic Leukemia: A Randomized Clinical Trial. JAMA. 2024 May 9:e244783. PMID: 38722621

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

有意差の出にくい2:1の割り付けでも、 絶対的な有意差を証明しています。 観察期間が短いことからEFS、 OSに関しては統計的な有意差が証明できませんでしたが、 長期フォローの研究成果が期待されます。

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【JAMA】Ph陽性ALLの1次治療、 ポナチニブ vs イマチニブ : 第Ⅲ相PhALLCON

耐性獲得による病勢進行が課題

Ph陽性ALLの1次治療では、 第1世代または第2世代のBCR-ABL1チロシンキナーゼ阻害薬に対する耐性獲得による病勢進行が一般的であるが、 ポナチニブはBCR-ABL1およびT315Iを含むすべての単一変異体を阻害する第3世代のチロシンキナーゼ阻害薬である。

2:1の割合で無作為化

対象

新たにPh陽性ALLと診断された18歳以上の成人患者 : 245例

介入

患者を以下の群に2 : 1の割合で無作為に割り付けた。

  • ポナチニブ群 : 154例
ポナチニブ30mg/日+強度減弱化学療法
  • イマチニブ群 : 78例
イマチニブ600mg/日+強度減弱化学療法

20サイクル投与後はポナチニブまたはイマチニブの単剤投与を実施

主要評価項目

寛解導入 (3サイクル) 終了時のMRD陰性CR率

BCR-ABL1≦0.01% (MR4) かつ4週間以上の血液学的CRと定義

副次評価項目

無イベント生存期間 (EFS)

CR率はポナチニブ群で有意に改善

有効性評価

MRD陰性CR率

ポナチニブ群が有意に高かった。

  • ポナチニブ群 : 34.4% (154例中53例)
  • イマチニブ群 : 16.7% (78例中13例) 
相対リスク 2.06 (95%CI 1.19-3.56) 
リスク差 0.18 (95%CI 0.06-0.29、 p=0.002) 

EFS中央値

事前に規定されたイベント数に達しなかった。

  • ポナチニブ群 : 未到達
  • イマチニブ群 : 29.0ヵ月

安全性評価

有害事象発現率

ポナチニブ群とイマチニブ群で同程度であった。

閉塞性動脈イベントの発現率

  • ポナチニブ群 : 2.5%
  • イマチニブ群 : 1.2%

安全性はイマチニブと同等

著者らは 「ポナチニブは、 Ph陽性ALLの成人患者において、 寛解導入療法終了時のMRD陰性CR率がイマチニブよりも優れていることが示された。 ポナチニブの安全性プロファイルはイマチニブと同等であった」 と報告している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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