HOKUTO編集部
1年前
ドライバー遺伝子変異のない進行非小細胞肺がん (NSCLC) に対する抗TROP2抗体薬物複合薬 (ADC) であるdatopotamab deruxtecan (Dato-DXd)+抗PD-1抗体ペムブロリズマブ併用療法とこれらにプラチナベースの化学療法 (Pt-Chemo) を加えた3剤併用療法の有効性および安全性を評価する国際非盲検第Ⅰb相試験TROPION-Lung02の結果から、 前治療のライン数にかかわらず、 三剤併用療法による有望な抗腫瘍効果と高い忍容性が認められた。
2023年6月2~6日に開催された米国臨床腫瘍学会 (ASCO 2023) において、 国立がん研究センター中央病院呼吸器内科外来医長の後藤悌氏が発表した。
同試験は、 用量漸増コホートと拡大コホートの2つのコホートから構成されている。
両コホートとも、 ドライバー遺伝子変異のない進行または転移を有するNSCLC患者。
用量漸増コホート:前治療歴が二次治療以下
拡大コホート (二剤併用を検証するコホート1~2、 および三剤併用を検証するコホート3~6から構成)
全患者
一次治療例に限定したグループ
全患者
一次治療例
中央値(95%CI)、 全患者
治療関連の有害事象 (TEAE) の発現率 (全グレード、 グレード3以上)
死亡、 減量、 投与中止に至ったTEAE
Dato-DXd関連TEAEによる減量、 中止
薬剤関連の間質性肺疾患/間質性肺炎 (全グレード、 グレード3以上)
進行NSCLC患者に対し、 Dato-DXd+ペムブロリズマブ+Pt-Chemoによる三剤併用療法は抗腫瘍効果と忍容性のいずれもが良好であった。 進行NSCLCの一次治療における三剤併用療法と標準治療を比較する第Ⅲ相試験TROPION-Lung07およびTROPION-Lung08が現在進行中である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。