海外ジャーナルクラブ
22日前

Dalyらは、 手術不能または手術を希望しない高リスク早期 (T1-T3N0M0) 非小細胞肺癌 (NSCLC) を対象に、 体幹部定位放射線療法 (SBRT) への抗PD-L1抗体アテゾリズマブ追加の有用性を多施設共同非盲検無作為化比較試験 (SWOG/NRG S1914) で検討した。 その結果、 全生存期間 (OS) のHRは1.04 (95%CI 0.69-1.58)、 推定2年OS率は両群ともに82%であり、 アテゾリズマブ追加によるOSの改善は認められなかった。 一方、 Grade3以上の有害事象発現率は、 併用群12%、 単独群3%と、 併用群で高かった。 試験結果はLancet誌に発表された。
S1914試験の主な限界は、 進行イベントのリアルタイム中央判定が行われず、 アテゾリズマブ + SBRT後の線維化を病勢進行と過大評価した可能性がある点です。
【IMpower030】切除可能NSCLCにおける周術期アテゾリズマブ、 EFSで有意差なし
早期非小細胞肺癌 (NSCLC) で医学的に手術不能な例に対しては、 体幹部定位放射線療法 (SBRT) が標準治療に位置付けられている。 本試験では、 SBRTに導入・同時併用・地固めとしてアテゾリズマブを上乗せする意義を検証した。
本試験は、 多施設共同非盲検第Ⅲ相無作為化比較試験である。 対象は米国146施設から登録された腫瘍径7cm以下のT1-T3N0M0 NSCLCで、 医学的に手術不能または手術を希望せず、 再発リスク上昇を示唆する危険因子を1つ以上有する患者である。
患者は3~8分割で実施するSBRTに対し、 アテゾリズマブ併用の有無で以下の2群に等比で層別無作為化された。
主要目的は、 2群間の全生存期間 (OS) の比較である。
登録は、 全無作為化例を対象とした初回中間解析で、 無効と判定され終了した*。
その後、 PFSイベント140件・死亡92件、 および生存例における追跡期間中央値24.8ヵ月の時点でアップデート解析が行われた。 アップデート解析では、 OSはHR 1.04 (95%CI 0.69-1.58, 片側p=0.58) で、 アテゾリズマブ併用による改善は示されなかった。
推定2年OS率は両群ともに82% (95%CI 75-87%) であった。
Grade3以上の有害事象の発現は、 併用群12%、 単独群3%であった。 また併用群では、 Grade5の呼吸器イベントが2件発生した。
著者らは、 「SBRTにアテゾリズマブを加えても手術不能な早期NSCLCのOSは改善せず、 Grade3以上の有害事象がより多く認められた」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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