海外ジャーナルクラブ
3日前

Brissonらは、 子宮頸癌における低・低中所得国 (LMICs) と高所得国 (HICs) の格差の推移を明らかにするため、 HPV-ADVISE数理モデルを用いて、 ワクチン接種および検診戦略別の子宮頸癌罹患率を予測・比較した。 その結果、 現状維持ではLMICsの罹患率低下は23%にとどまるが、 HICsは2048年までに排除水準 (10万人女性年当たり4例未満) に到達する一方、 2105年にはLMICsの罹患率がHICsの12倍相当となり、 格差は拡大するとされた。 女児90%接種により格差は大きく縮小するが、 全LMICで排除と公平性を達成するためには、 男女への定期接種や複数年齢層への接種拡大も必要であった。 試験結果はLancet誌に発表された。
HPVワクチン接種率90%を前提として解析しているが、 実際には多くの国でこの達成は困難であり、 現実との乖離がある可能性があります。
WHOは、 女児の90%へのHPVワクチン接種、 および女性の70%への検診、 前癌病変および癌の90%の治療を通じて子宮頸癌排除を目指しているが、 低所得国および低中所得国 (LMICs) では高所得国 (HICs) に比べ達成が大きく遅れている。 本研究は数理モデルを用い、 LMICsとHICsが子宮頸癌排除に向かっているか、 現状対策下での格差の推移、 ならびにワクチン接種や検診強化が格差と子宮頸癌排除に与える影響を検討した。
HPV-ADVISEモデルを用いて、 67のLMICsと42のHICsにおける子宮頸癌罹患率を、 複数のワクチン接種・検診シナリオ別に予測した。 現状維持では各国の使用ワクチン、 接種開始年、 接種率、 対象集団、 検診率を反映した。
LMICsでは、 (1)9価ワクチン導入、 (2)女児90%接種、 (3)WHOの排除目標達成、 (4)男女接種や複数年齢コホート接種の追加、 (5) WHOの排除目標達成と男女への定期接種や複数年齢コホート接種の追加を組み合わせる、 5つの予防強化戦略を評価し、 LMICsとHICsの罹患率 (ASR) 比 (RRLMIC/HIC=ASRLMICs/ASRHICs) により格差を検討した。
現状維持では、 LMICsの子宮頸癌罹患率低下は23%にとどまる一方、 HICsでは2048年までに排除水準 (年齢標準化子宮頸癌罹患率が10万人女性年当たり4例未満) に達し、 格差は拡大し、 2105年にはLMICsの罹患率がHICsの12倍に相当する水準になると予測された。
LMICsにおいて女児90%接種を達成した場合に格差は縮小し、 多くのLMIC地域で子宮頸癌排除が達成されるが、 全LMICでの排除と公平性を達成するためには、 WHO目標の達成に加え、 男女への定期接種および複数年齢コホート接種が必要と推定された。
著者らは、 「HPV予防戦略を強化しなければ、 子宮頸癌における世界的格差は著しく拡大すると予測された。 LMICsにおける子宮頸癌排除には、 WHOの排除目標の達成、 または男女での高いワクチン接種率が必要であり、 これにより世界的格差は大幅に緩和される可能性がある」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。