海外ジャーナルクラブ
13日前

Luoらは、 妊娠中のアセトアミノフェン曝露と児の自閉スペクトラム症 (ASD)・注意欠如・多動症 (ADHD) との関連を、 家族性交絡を制御する同胞対照デザインの人口ベースコホート研究で検討した。 その結果、 同胞対照解析では、 妊娠中曝露はASDおよびADHDの発症と関連しなかった。 一方、 通常のコホート解析や妊娠前曝露の陰性対照解析では正の関連が観察され、 残余の家族性交絡が示唆された。 研究結果はJAMA Internal Medicine誌に発表された。
本研究では公的医療機関で処方された処方パラセタモールのみを把握しており、 市販薬 (OTC) や民間医療機関での処方は含まれていません。
アセトアミノフェンは世界的に、 妊娠中に第一選択として推奨される鎮痛・解熱薬であるが、 観察研究から児の自閉スペクトラム症 (ASD)・注意欠如・多動症 (ADHD) リスク増加との関連が報告され懸念を生んでいる。 ただしこれらの所見には、 測定されていない家族性要因による交絡の可能性がある。
本研究では、 家族性交絡を制御する同胞対照デザインを用い、 妊娠中アセトアミノフェン曝露と児のASD・ADHD発症との関連を評価した。
本研究は、 2001年1月1日~2023年12月31日に香港で実施された人口ベースコホート研究で、 匿名化された電子健康記録を用いた。
初期コホートは70万8,020組の母児ペア (うち約43.3%が妊娠中アセトアミノフェンに曝露) で構成され、 ここから妊娠中曝露が不一致の家族の児で十分な追跡期間*をもつ同胞対照コホートを構築した。
ASDはICD-9-CMコード299、 ADHDはコード314または香港で承認されたADHD治療薬 (メチルフェニデート・アトモキセチン・リスデキサンフェタミン) の処方で定義した。
最終コホートはASD解析が12万4,333児 (平均9.3歳、 女児49.7%)、 ADHD解析が9万7,285児 (平均7.6歳、 女児49.8%) であった。
同胞対照解析では、 妊娠中のアセトアミノフェン曝露はASD・ADHD発症と関連しなかった。
同胞対照解析
この無関連は曝露時期・累積用量・使用パターンを通じて一貫していた。
一方、 通常のコホート解析では正の関連が観察された。 さらに、 妊娠前曝露を用いた陰性対照解析でもASD (HR 1.12) およびADHD (HR 1.24) で正の関連が認められた。
著者らは、 「本研究の同胞対照解析では妊娠中のアセトアミノフェン曝露と児のASD・ADHD発症との関連は示されなかった。 通常研究における正のシグナルは残余の家族性交絡に起因する可能性が高く、 これらの所見は妊娠中のアセトアミノフェン使用の安全性に関する重要な再確認となった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。