HOKUTO編集部
26日前
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切除可能Ⅲ期肺癌、 PD-L1陽性例に対しては術前・術後の免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) が使用可能となっているが、 術前および術後のICIも使用可能となった¹⁾。
術前・術後の比較はされておらず、 どちらが優れているかは不明である。 術前療法+ICIを使用した場合の術後ICIについても、 現時点では試験間の比較にとどまっている。 さらには手術検体の残存腫瘍細胞の有無で術後ICIの有効性が異なるとする解析結果もある²⁾。
最近報告されたメタ解析では、 non-pCRに対する術後ICIの有効性は想定よりも小さい可能性が示唆されている³⁾。
ICI承認前に行われた日本臨床腫瘍研究グループ (JCOG) 肺がん外科・内科グループのアンケートではsingle station N2 までのⅢA期であれば70%程度の施設が手術先行との回答であり、 本邦では手術先行を標準治療とみなすことができる。
一方、 ICIは理論的に原発巣や所属リンパ節が存在する術前投与の方が術後投与よりも効果的とされており、 メラノーマ領域では臨床データも出てきている⁴⁾⁵⁾。 肺癌領域では手術先行と術前ICIの比較試験はこれまでにされておらず、 今後JCOG2317試験としてⅡ~ⅢA期 (single station N2まで) に対し無作為化比較試験が開始される予定であり、 その結果が待たれる。
術前ICI療法を行う際に、 術後ICIが必要かどうかは不明であり、 基本的には治療前のインフォームドコンセント (IC) で術前ICIのみか術前・術後ICIを行うか決定しておくことになる。 周術期にICIを使用することには大きなメリットがあると考えるが、 それぞれの選択肢の効果の違いは不明であるため、 手術に至らないリスク、 コストや治療期間、 患者の希望などから総合的に判断することも重要である。
以上より、 選択肢の1、 2、 3を患者に提示して選択することになるが、 個人的な考えに最も近いのは1である。
▼CheckMate 816試験¹⁾
ⅠB~ⅢA期*のNSCLC患者
▼KEYNOTE-671試験²⁾
II~IIIB期 (N2)*の未治療NSCLC患者
▼IMpower010試験³⁾
IB~IIIA期*の完全切除後NSCLC患者
▼CheckMate 816試験¹⁾
EFS中央値
HR 0.63、 97.38%CI 0.43-0.91、 p=0.005
pCR率
OR 13.94、 99%CI 3.49-55.75、 p<0.001
▼KEYNOTE-671試験²⁾
ITT集団におけるOS率
HR 0.72、 95%CI 0.56-0.93、 p=0.0052
ITT集団におけるEFS中央値
HR 0.59、 95%CI 0.48-0.72
▼IMpower010試験³⁾
担当医評価によるDFS中央値
①PD-L1 TC≧1%でⅡ~ⅢA期の集団
HR 0.66、95%CI 0.50-0.88、 p=0.0039
②Ⅱ~ⅢA期の全集団
HR 0.79、95%CI 0.64-0.96、 p=0.020
③IB~ⅢA期のITT集団
HR 0.81、95%CI 0.67-0.99、 p=0.040
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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