【EVOKE-02】未治療NSCLCでsacituzumab govitecan +ペムブロリズマブが奏効
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HOKUTO編集部

8ヶ月前

【EVOKE-02】未治療NSCLCでsacituzumab govitecan +ペムブロリズマブが奏効

【EVOKE-02】未治療NSCLCでsacituzumab govitecan +ペムブロリズマブが奏効
未治療の転移性非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者を対象に、 1次治療における抗Trop-2抗体薬物複合体sacituzumab govitecan (SG) +抗PD-1抗体ペムブロリズマブの有効性と安全性を検証した第Ⅱ相試験EVOKE-02の結果から、 SG +ペムブロリズマブ併用療法は、 PD-L1の発現状態にかかわらず良好な抗腫瘍活性が示され、 安全性プロファイルも各薬剤の既報と同様であった。 韓国・Yonsei University College of MedicineのByoung Chul Cho氏が発表した。 

試験の概要

対象

以下の適格基準を満たした者

  • IV期の転移性NSCLC患者
  • 測定可能な病変 (RECIST v1.1)
  • 既知の対処可能なゲノム変異なし
  • ECOG PS 0-1
  • 転移性NSCLCに対する全身治療歴なし

方法

対象者を以下のコホートに振り分け、 21日サイクルの1日目と8日目にSG 10mg/kg、 1日目にペムブロリズマブ200mgを投与した。

  • コホートA (30例) :PD-L1発現率 (TPS) 50%以上の患者
  • コホートB (33例) :TPS 50%未満の患者
SGは病態進行 (PD) または許容できない毒性発現を認めるまで、 ペムブロリズマブは最大35サイクルまで投与した。 

評価項目

主要評価項目:客観的奏効率 (ORR) 、 Safety run-inにおける用量制限毒性 (DLT) 

副次評価項目:病勢コントロール率 (DCR) 、 奏効持続期間 (DOR) 、 無増悪生存期間 (PFS) 、 全生存期間 (OS) 、 安全性

有効性については、 今回は担当医評価による結果が報告された。 

試験結果

追跡期間中央値

コホートAで5.0ヵ月、 コホートBで5.8ヵ月 (2023年6月16日データカットオフ時点)

患者背景 (コホートA、 B) 

  • 年齢中央値:67歳、 68歳
  • 男性:80%、 79%
  • 治療期間中央値
  • SG :4.1ヵ月、 4.1ヵ月
  • ペムブロリズマブ:3.6ヵ月、 3.8ヵ月
  • 治療中断率:37%、 58%
両コホートでSG中断の最多理由は病勢進行 (PD) であった。

担当医評価によるORR

  • コホートA:69%
 (95%CI 49-85%) 
  • コホートB:44%
 (95%CI 26-62%) 

担当医評価によるDCR 

  • コホートA:86%
 (95%CI 68-96%)
  • コホートB:78%
 (95%CI 60-91%)

治療関連の有害事象 (TEAE) の発現

  • 全グレード:63例 (100%) 
  • グレード3以上:44例 (70%) 
  • TAEAによる治療中断:11例 (18%) 
  • TEAEによる死亡:4例 (6%) 

SG+ペムブロリズマブの安全性プロファイルは管理可能であり、 各薬剤の既知の安全性と一致していた。

Byoung Chul Cho氏らの結論

今回の結果は、 転移性NSCLCの1次治療におけるSG+ペムブロリズマブのさらなる検討を正当化するものである。 現在進行中の第Ⅲ相非盲検国際ランダム化比較試験EVOKE-03では、 PD-L1 TPS50%以上の未治療の転移性NSCLC患者を対象に、 1次治療におけるSG+ペムブロリズマブ療法とペムブロリズマブ単独療法が比較検討されている。 

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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