HOKUTO編集部
2ヶ月前
日本ワクチン学会は9月20日、 「2024-25期の季節性インフルエンザワクチンの接種に関する日本ワクチン学会の見解」 (以下、 見解) を発表した。 同見解では、 今冬の感染症対策と医療体制の維持のため、 2024-25期のインフルエンザワクチン接種を強く推奨。 接種が推奨される人に確実にワクチンを接種できるよう、 早期に準備をすべきであると強調している。 また、 咳エチケット、 ⼿指消毒、 ⼿洗い、 マスク着⽤などの予防対策を徹底し、 社会全体でインフルエンザ対策を実施していくことが重要と訴えている。
▼同見解の詳細はコチラ
2023年第36週から2024年第30週までのインフルエンザの報告数は268万1,247例であり、 前年同時期の78万2,243例を⼤きく上回った。 2023年第36週から2024年第19週までの累積受診者数は約1,801.9万例と推計されており、 感染者は過去5期で最も多い。
また、 北半球の次期の流行予測の指標となるオーストラリアにおける患者報告数は、 2024年4⽉遅くから急速に増加し、 2017年以降の同時期 (ピークが早かった2022年を除く) および過去5年平均よりも多い14万7,522例が報告されている。 特にA型の感染者が多い。
これらを受けて、 同学会は、 ⽣後 6ヵ月以上のすべての⼈に対するインフルエンザワクチンの接種を推奨している。 また、 2023-24期は春先の流⾏も⾒られたことから、 未接種者については2025年1⽉以降の接種も推奨しており、 関係者には接種が適切に⾏われるための体制の構築を提⾔している。
なお、 2024-25期のインフルエンザワクチンは、 A型株2種とB型株2種の4価ワクチン。 2023-24期からA/H3N2株の1種が変更されている。
▼HAワクチン: 13歳以上は1回、 未満は2回接種
国内で承認されているヘムアグルチニン (HA) ワクチンについては、 13歳以上は1回接種を原則とし、 医師が必要と判断する場合は、 1~4週間間隔で2回接種する。 ⽣後6ヵ月以上13歳未満の⼩児については、 2~4週間間隔で2回接種とし、 何らかの事情で2回接種が難しい場合でも、 少なくとも1回は接種し、 未接種のままインフルエンザシーズンを迎えないことを推奨している。
▼LAIV : 2 歳以上19歳未満の者に0.2mL噴霧
昨年承認された経⿐弱毒⽣インフルエンザワクチン (LAIV) については、 3価ワクチンとして2024-25期より供給が始まる。 接種については、 2 歳以上19歳未満の者に、 0.2mL (各⿐腔内に0.1mLを1噴霧) を⿐腔内に噴霧する。 重度の喘息をもつ者、 喘鳴の症状のある者は、 接種要注意者であるため、 医師と相談の上で接種の判断を⾏う必要がある。
また今期のワクチン供給量は、 インフルエンザHAワクチン約2,604万本、 経⿐弱毒⽣インフルエンザワクチン (LAIV) 約130万本の計約2,734万本となる見込み。 前期の使⽤量 (2,432万本) と⽐較して約112%の供給量となっており、 近年の平均使⽤量を超える量が供給される見通しとなっている。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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