海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前

Weitzらは、 新規の凝固因子XI (FXI) 阻害薬のREGN9933A2およびREGN7508Catについて、 膝関節形成術後の静脈血栓塞栓症 (VTE) 予防に対する有効性・安全性を検証した。 その結果、 REGN7508CatのVTE発生率は7%で、 エノキサパリン (17%) に対し優越性を示した。 一方で、 REGN9933A2は優越性を示さなかった。 なお、 安全性に関して、 大出血または臨床的に重要な非大出血はいずれの群でも認められなかった。 試験結果はLancet誌に発表された。
今後は、 どの患者にどの種類のFXI阻害薬が最も効くのかを見極める研究が必要となります。
凝固因子XI (FXI) 阻害薬は、 出血リスクを増加させず血栓症を減少させるが、 FXIは因子XIIa (FXIIa) またはトロンビンで活性化される。 新規FXI阻害薬REGN9933A2およびREGN7508Catについて、 REGN9933A2はFXIのアップル2ドメインに結合し、 FXIIaによるFXI活性化を阻害する。 REGN7508CatはFXIの触媒ドメインに結合し、 その活性化およびFXIIaとトロンビンによる活性化を阻害する。 この2剤について、 静脈血栓塞栓症 (VTE) 予防における有効性・安全性を検証した。
本試験 (ROXI-VTE-I、 ROXI-VTE-II) は、 膝関節形成術後患者を対象とした非盲検第Ⅱ相無作為化比較試験である。
ROXI-VTE-Iでは、 患者をREGN9933A2群、 エノキサパリン群、 またはアピキサバン群 (探索的比較薬) に1:1:1で無作為に割り付けた。 ROXI-VTE-IIでは、 患者をREGN7508Cat群、 エノキサパリン群に2:1で無作為に割り付けた。
主要評価項目は、 術後12日目までに確認されたVTEとした。 各薬剤がエノキサパリンに対し優越性を示す条件は、 対数オッズ比 (log OR) が0未満である事後確率が95%を超える場合とした。 主要安全性評価項目は、 大出血および臨床的に重要な非大出血の複合アウトカムとした。
ROXI-VTE-Iでは373例、 ROXI-VTE-IIでは179例を登録した。 両試験の追跡期間中央値は74日であった。
両試験におけるVTEの発生頻度は以下の通りで、 REGN7508Catはエノキサパリンに対し優越性を示した。
ROXI-VTE-IにおけるVTE発生頻度
調整OR 0.78 (90%信用区間 0.47-1.32)、
事後確率 78.5%
ROXI-VTE-IIにおけるVTE発生頻度
調性OR 0.37 (90%信用区間 0.20-0.68)、
事後確率 99.8%
いずれの群でも大出血または臨床的に重要な非大出血は認められなかった。 最も多い治療関連有害事象は術後貧血であり、 REGN9933A2群で123例中9例 (7%)、 REGN7508Cat群で120例中6例 (5%) に発現した。 重篤な有害事象はREGN9933A2群で4例 (3%)、 REGN7508Cat群で2例 (2%) に発現し、 治療関連死亡はなかった。
著者らは、 「REGN7508Catは、 log OR<0となる事後確率が95%を超え、エノキサパリンに対して優越性を示した。 一方、 REGN9933A2は優越性を示さなかった。 REGN7508Catの結果は術後VTEにおけるFXIの役割を確認し、 REGN9933A2の結果はFXIIaによるFXI活性化がこの過程に寄与することを示唆している」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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