【VERITAC-2】既治療のESR1陽性ER+/HER2-乳癌、 タンパク質分解誘導薬vepdegestrantでPFS改善
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HOKUTO編集部

9ヶ月前

【VERITAC-2】既治療のESR1陽性ER+/HER2-乳癌、 タンパク質分解誘導薬vepdegestrantでPFS改善

【VERITAC-2】既治療のESR1陽性ER+/HER2-乳癌、 タンパク質分解誘導薬vepdegestrantでPFS改善
内分泌療法+CDK4/6阻害薬で病勢進行 (PD) を認めたESR1変異陽性のエストロゲン受容体 (ER) 陽性(+)/HER2陰性(-)進行乳癌を対象に、 経口タンパク質分解誘導キメラ分子 (PROTAC)  vepdegestrantの有効性および安全性について、 フルベストラントと比較評価した第III相試験VERITAC-2の結果、 PFSが有意に改善した。 米・Sarah Cannon Research InstituteのErika P Hamilton氏が発表した。同詳細はN EngJ Med. 2025年5月31日オンライン版に同時掲載された¹⁾。

背景

vepdegestrantの忍容性と臨床活性は第I/II相試験で報告済

第I/II相試験VERITAC-2では、 内分泌療法およびCDK4/6阻害薬でPDを認めた既治療のER+/HER2-進行乳癌において、 vepdegestrantによる良好な忍容性と有望な臨床活性が示されていた。 今回はPROTACを標的とした初の第III相試験として、 同薬の有効性と安全性が検証された。

研究デザイン

対象は既治療のER+/HER2-進行乳癌

対象は、 18歳以上でCDK4/6阻害薬+内分泌療法による前治療歴、 および1ライン以下の追加内分泌療法による治療歴を有し、 直近の内分泌療法中にPDが認められたER+HER2-の進行または転移性乳癌患者624例だった。 進行・転移性疾患に対する化学療法歴または選択的エストロゲン受容体分解薬 (SERD) による治療歴がある患者は除外された。

患者は以下の2群に1:1で無作為に割り付けられた。

  • vepdegestrant群 : 313例
(vepdegestrant 200mgを1日1回経口投与)
  • フルベストラント群 : 311例
(フルベストラント500mgを1サイクル目の1、 15日目に、 以降は1日目に筋肉内投与)

層別化因子は、 ESR1変異の有無、 内臓転移の有無だった。

主要評価項目はESR1変異陽性集団/全集団でのPFS

主要評価項目は、 盲検下独立中央判定 (BICR) によるESR1変異を有する集団のPFS、 および全集団のPFSだった。

重要な副次評価項目には全生存期間 (OS) が設定された。 その他の副次評価項目には、 BICRによる臨床的有用率 (CBR)、 客観的奏効率 (ORR)、 有害事象 (AE) などが含まれた。 データカットオフ日は2025年1月31日だった。

試験の結果

ESR1変異陽性例は約43%

全集団624例のうち、 ESR1変異陽性は270例 (43.3%; vepdegestrant群136例、 フルベストラント群134例) だった。 閉経後状態、 ECOG PS、 内臓転移の有無などの患者背景は、 ESR1変異集団および全集団のいずれにおいても、 両群で概ね同等だった。

ESR1変異陽性集団のmPFSは5.0ヵ月、 増悪リスク43%低減

ESR1変異陽性集団におけるBICRによるPFS中央値*は、 フルベストラント群の2.1ヵ月 (95%CI 1.9-3.5ヵ月) に対し、 vepdegestrant群では5.0ヵ月 (同 3.7-7.4ヵ月) と有意な改善を示した (HR 0.57、 同 0.42-0.77、 p<0.001)。

6ヵ月PFS率はvepdegestrant群が45.2% (同 36.1-53.9%)、 フルベストラント群が22.7% (同 15.1-31.2%) だった。

*(追跡期間中央値 : vepdegestrant群6.0ヵ月、 フルベストラント群7.4ヵ月)

全集団ではmPFSに有意差を認めず

全集団におけるBICRによるPFS中央値は、 vepdegestrant群で3.7ヵ月 (95%CI 3.6-5.3ヵ月)、 フルベストラント群で3.6ヵ月 (同 2.2-3.8ヵ月) と両群間に有意差は認められなかった (HR 0.83、 同 0.68-1.02、 p=0.07)。

ESR1変異陽性集団でORR、 CBRが改善

ESR1変異陽性集団において、 BICRによるCBRはvepdegestrant群42.1%、 フルベストラント群20.2% (OR 2.88[95%CI 1.57-5.39]、 p<0.001) で、 ORRはそれぞれ18.6%、 4.0% (OR 5.45[同 1.69-22.73]、 p=0.001) と、 いずれもvepdegestrant群で良好な結果が示された。

一方で、 全集団におけるCBRはvepdegestrant群34.3%、 フルベストラント群28.7% (OR 1.29、 p=0.16)、 ORRは10.9%、 3.6% (OR 3.23、 p=0.003) だった。

OSは今回の評価時点ではimmatureだった。

新たな安全性シグナルは示されず

Grade 3以上の治療開始後に発現した有害事象 (TEAE) はvepdegestrant群の23%、 フルベストラント群の18%に認められた。 TEAEによる治療中止割合はそれぞれ3%、 1%と低かった。

vepdegestrant群で高発現率だった主なTEAE (全Grade;うちGrade 3/4) は、 疲労 (27%;1%)、 ALT増加 (14%;1%)、 AST増加 (14%;1%)、 悪心 (13%;0%) であり、 多くは軽度~中等度だった。

結論

vepdegestrantはESR1変異陽性例に有望

Hamilton氏は 「vepdegestrantはESR1変異陽性集団において、 フルベストラントと比較してPFSの有意な改善が示された。 一方、 全集団においてPFSの有意な改善は示されなかった。 安全性プロファイルは良好であり、 AEによる治療中止率も少なかった。 これらの結果は1ラインの前治療歴を有するESR1変異陽性のER+/HER2-進行乳癌に対する経口薬の治療選択肢として、 vepdegestrantを支持するものである」 と報告した。

出典

¹⁾ NEJM.2025年5月31日オンライン版

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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