海外ジャーナルクラブ
2年前
Nathanらは、 HbA1c 6.8~8.5%の2型糖尿病患者を対象に、 メトホルミンと併用する血糖降下薬4種類の有効性を比較検討する無作為化比較試験を実施。 その結果、 メトホルミンに追加した4種類の薬剤はすべて、 HbA1cを低下させたが、 グラルギンとリラグルチドは目標糖化ヘモグロビン値の達成と維持に、 有意に高い効果を示した。 本研究は、 NEJM誌において発表された。
2型糖尿病患者において、 5年間メトホルミン併用する血糖効果薬を評価したRCT大作ですが、 今になってみるとSGLT2阻害薬が含まれていないこと、 さらに喫煙の情報がないことが大きなlimitationと言えます。
2型糖尿病患者において、 HbA1cの目標値を維持するためにメトホルミンと併用する血糖降下薬の比較有効性は不明である。
メトホルミン投与中でHbA1c 6.8~8.5%の2型糖尿病患者を以下の4群に無作為に割り付けた。
主要評価項目は四半期ごとに測定したHbA1c 7.0%以上の累積発生率、 副次評価項目はHbA1c7.5%以上の累積発生率とした。
2型糖尿病でメトホルミンの投与を受けていた5,047名 (黒人19.8%、 ヒスパニックまたはラテン系18.6%) を平均5.0年間追跡調査した。
主要評価項目であるHbA1c 7.0%以上の累積発生率は、 4群間で有意差があった (群間差の包括検定のP<0.001)。
グラルギン群 (100参加年当たり26.5名) およびリラグルチド群 (26.1名) の発生率は同程度で、 グリメピリド群 (30.4名)、 シタグリプチン群 (38.1名) よりも低かった。
副次評価項目であるHbA1c 7.5%以上に関する群間差は、 主要評価項目とほぼ同様であった。
主要評価項目については、 サブグループ間で差は認められなかったが、 試験開始時点のHbA1cが高い被験者では、 シタグリプチンよりもグラルギン、 リラグルチド、 グリメピリドのほうがさらに大きな利益をもたらすようであった。
重度の低血糖はまれだったが、 グラルギン群 (1.3%)、 リラグルチド群 (1.0%)、 シタグリプチン群 (0.7%) に比べてグリメピリド群 (2.2%) の方が有意に多く発生した。 リラグルチド群は、 他の治療群に比べ、 より頻繁に胃腸の副作用を報告し、 より多くの体重を減少させた。
メトホルミンに追加した4種類の薬剤はすべてHbA1cを低下させた。 しかし、 グラルギンとリラグルチドは、 目標HbA1cの達成と維持に、 わずかではあるが、 有意に高い効果を示した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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