【OptiTROP-Lung05】PD-L1陽性NSCLCの1次治療、sac-TMT+ペムブロでPFS延長
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HOKUTO編集部

9日前

【OptiTROP-Lung05】PD-L1陽性NSCLCの1次治療、sac-TMT+ペムブロでPFS延長

【OptiTROP-Lung05】PD-L1陽性NSCLCの1次治療、sac-TMT+ペムブロでPFS延長
EGFR/ALK陰性かつPD-L1陽性(TPS≥1%)の未治療進行非小細胞肺癌(NSCLC)に対する抗TROP2抗体薬物複合体(ADC)sacituzumab tirumotecan(sac-TMT)+ペムブロリズマブ併用療法の有効性および安全性について、 ペムブロリズマブ単剤療法と比較した第Ⅲ相無作為化比較試験OptiTROP-Lung05の中間解析の結果から、PFSの有意な延長が示された。中国・上海市東方医院のCaicun Zhou氏が発表した。同試験の詳細はLancet.誌2026年5月29日オンライン版¹⁾に掲載された。 

背景

TROP2標的ADC上乗せによる抗腫瘍活性の増強に期待

PD-L1陽性の進行NSCLCの1次治療では、 抗PD-1/PD-L1抗体の単剤療法が標準治療の1つとして確立されている。しかし、 良好な予後が得られない患者の割合は依然として高い。

sac-TMTは独自の二機能性リンカーを有するTROP2標的ADCで、抗PD-1/PD-L1抗体との相補的な機序により抗腫瘍活性を増強し得ることが示唆されている。 第Ⅱ相試験のOptiTROP-Lung01では、 進行NSCLCの1次治療における抗PD-1/PD-L1抗体へのsac-TMTの上乗せによる有望な結果が示されている²⁾。

試験の概要

対象はEGFR/ALK陰性でPD-L1陽性の未治療NSCLC

EGFR/ALK変異陰性かつPD-L1陽性(TPS≥1%、22C3)で、 全身治療歴がなく、 ECOG PS 0-1の未治療局所進行(StageⅢB/C)または転移性(StageⅣ)NSCLC患者413例が、 以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。治療は病勢進行または許容できない毒性が発生するまで継続した。

  • sac-TMT+ペムブロリズマブ群 : 208例
sac-TMT 4mg/kgを2週毎+ペムブロリズマブ400mg を6週毎に投与
  • ペムブロリズマブ単剤療法群 : 205例
ペムブロリズマブ400mg を6週毎に投与

主要評価項目はPFS

主要評価項目はRECIST v1.1に基づく盲検下独立中央判定(BICR)による無増悪生存期間(PFS)だった。主要な副次評価項目は全生存期間(OS)だった。 その他の副次評価項目は担当医評価によるPFS、 奏効率(ORR)、 奏効持続期間(DoR)、 安全性などだった。データカットオフ2025年9月29日時点での追跡期間中央値10.5ヵ月だった。

試験の結果

増悪・死亡リスクを65%低減

BICRによるPFS中央値は、 sac-TMT+ペムブロリズマブ群で未到達 (NR) (95%CI 13.6ヵ月-NE)であり、ペムブロリズマブ単剤療法群の5.7ヵ月(同4.3-7.0ヵ月)に比べて、増悪・死亡リスクを65%低減した(HR 0.35 [95%CI 0.26-0.47]、p<0.0001)。

12ヵ月PFS率は、 sac-TMT+ペムブロリズマブ群で62.4%、 ペムブロリズマブ単剤療法群で29.0%だった。 担当医評価によるPFS中央値も、 それぞれNR、 6.6ヵ月であり、 BICR評価と一貫した結果を示した (HR 0.38、 95%CI 0.28-0.51)。

PD-L1発現・組織型を問わずPFSベネフィット示す

sac-TMT+ペムブロリズマブ群におけるPFSベネフィットはほぼすべてのサブグループで認められた。増悪・死亡のHRは、 PD-L1発現別ではTPS≥50%で0.47(95%CI 0.29-0.77)、TPS 1-49%で 0.28(95%CI 0.19-0.41)、 組織型別では非扁平上皮癌で0.28(95%CI 0.18-0.43)、扁平上皮癌でHR 0.44(95%CI 0.29-0.66)と、 PD-L1低発現例や扁平上皮例を含め広くベネフィットが認められた。

OSもsac-TMT+ペムブロリズマブ群で良好な傾向

OSについてはデータがimmatureではあったが、 OS中央値はsac-TMT+ペムブロリズマブ群がNR、 ペムブロリズマブ単剤療法群が14.5ヵ月と、 sac-TMT+ペムブロリズマブ群で良好な傾向が認められた(HR 0.55 [95%CI 0.36-0.85])。

BICRによるORRはsac-TMT+ペムブロリズマブ群が70.2%、ペムブロリズマブ単剤療法群が42.0%だった。深い奏効〔腫瘍径合計 (SLD) の50%以上の縮小〕が認められた患者の割合はsac-TMT+ペムブロリズマブ群が49.0%、 ペムブロリズマブ単剤療法群が25.9%、 12ヵ月DoR率はそれぞれ77.7%、 59.4%(HR 0.47 [95%CI 0.27-0.82])だった。

新たな安全性シグナルは確認されず

治療中に発現した有害事象(TEAE)については、 全GradeのTEAE発現率がsac-TMT+ペムブロリズマブ群で99.5%、ペムブロリズマブ単剤療法群で86.5%、 Grade 3以上のTEAEの発現率がそれぞれ55.3%、31.4%だった。sac-TMT+ペムブロリズマブ群におけるGrade 3以上のTEAEの増加は主に既知のsac-TMTの血液毒性によるものだった。sac-TMT+ペムブロリズマブ群で高頻度にみられたTEAEは貧血(87.5%)、 脱毛(65.9%)、 好中球数減少(44.7%)であり、 新たな安全性シグナルは認められなかった。

結論

PD-L1陽性NSCLCの1次治療の新たな選択肢となる可能性

Zhou氏は 「sac-TMT+ペムブロリズマブは、 ペムブロリズマブ単剤と比較して、 PD-L1陽性進行NSCLCの1次治療でPFSを有意に延長した。 sac-TMT+ペムブロリズマブの安全性プロファイルは管理可能であり、各薬剤の既知のプロファイルに一致していた」 とした上で、 「EGFR/ALK陰性のPD-L1陽性進行NSCLCの1次治療において、 sac-TMT+ペムブロリズマブは新たな治療選択肢となり得る」 と報告した。

出典

1) Lancet. 2026年5月29日オンライン版

2) Nat Med. 2025 Nov;31(11):3654-3661.

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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