海外ジャーナルクラブ
8ヶ月前
Hongらは、 免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) による治療と肺有害事象 (PAE) の関連を、 167件の試験によるベイジアンネットワークメタ解析で検討した。 その結果、 併用療法における全GradeおよびGrade 3~4のPAEのリスクは、 抗PD-1+抗CTLA-4療法と化学療法の組み合わせで最も大きく、 単剤療法においても、 全GradeのPAEのリスクは、 化学療法よりもICIの方が高かった。 本研究は、 BMC Medicine誌において発表された。
ICI併用療法に関連する肺有害事象の一点に焦点を当てたnetwork meta-analysisです。 今後は同様の手法での臨床的な効果が証明されている薬剤のある1つの注目すべき有害事象に関するメタアナリシスの研究が増えてきそうです。
ICIは、 腫瘍治療を一変させたが、 ICI治療によるPAEのリスクはいまだ不明である。
少なくとも1つの治療群においてICI (ICI単剤療法、 ICI 2剤併用療法、 ICIと従来の癌治療との併用療法など) を投与された第Ⅱ相および第Ⅲ相無作為化比較試験と単群試験 : 167研究
ベイジアンネットワークメタ解析を用いて、 異なる薬剤クラス間でPAEのリスクを比較した。
抗PD-1+抗CTLA-4+化学療法による介入で最も高く、 化学療法および抗PD-1+抗PD-L1による介入で最も低かった。
全グレードのPAEにおいてICI単剤療法よりも化学療法の方が安全であった。
Grade 3~4のPAEリスクにおいて、 ICIの2剤併用療法とICI単剤療法間で有意な差は認められなかった。
著者らは、 「併用療法では、 抗PD-1+CTLA-4療法と化学療法の組み合わせがPAEリスクを増加させ、 単剤では化学療法よりもICI療法のほうが高いリスクを示した。 ICIの単剤療法と併用療法の比較ではPAEリスクに有意差は見られなかった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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