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31日前

【Lancet Haematol】再発・難治性の重症再生不良性貧血患者へのハプロ移植でOSが改善


DeZernらは, 再発・難治性の重症再生不良性貧血患者を対象に, HLA半合致骨髄移植 (ハプロ移植) の治療効果を検討する第Ⅱ相臨床試験を実施. その結果, ハプロ移植は, 免疫抑制療法に反応しない患者において, 最小限のGVHDで優れた総生存率 (OS) をもたらすことが明らかとなった. 本研究は, Lancet Haematol誌において発表された. 

背景

再発・難治性の重症再生不良性貧血は, 高い罹患率と死亡率を有する骨髄不全疾患である. 再発時には免疫抑制療法後に骨髄移植が行われることが多いが, 少数民族では適切なドナーが見つからないことが多いことが問題となっている.

研究デザイン

対象は再発・難治性重症再生不良性貧血の小児および成人(75歳以下) 31名で、 主要評価項目は "骨髄移植後1年間の総生存率 (OS)"とした.

研究結果

1年総生存率は81%

  • 追跡期間中央値 24.3カ月.
  • 1年時点において、 77% (24/31名) が生着を得て生存しており, 3% (1名) が自己造血回復で生存していた.
  • 1年総生存率 (OS):81% (95%CI 62-91)
  • 最も一般的なグレード3~5の有害事象
  • 肝機能検査異常:23% (7人)
  • 心血管系 (洞性頻脈, 心不全, 心膜炎など) :48% (15名)
  • 胃腸障害:32% (10名)
  • 栄養障害:23% (7名)
  • 呼吸障害:26% (8名)
  • 移植後の死亡例として, 疾患と骨髄移植失敗によるものが6例 (19%) 報告された.

結論

  • この方法を用いたハプロ移植は, 免疫抑制療法に反応しなかった患者において, 最小限のGVHDで優れたOSをもたらし, あらゆる集団において骨髄移植へのアクセスを拡大することが可能である.
  • 臨床現場では, この方法が重症再生不良性貧血のサルベージ治療の標準的な方法だと考えられる.
  • 骨髄採取で高い細胞量 (レシピエント理想体重1kgあたり2.5×10⁸個以上の有核細胞) を得られるよう注意を払うことが, この方法の成功には不可欠である.

原著

DeZern AE, et al, Haploidentical bone marrow transplantation in patients with relapsed or refractory severe aplastic anaemia in the USA (BMT CTN 1502): a multicentre, single-arm, phase 2 trial. Lancet Haematol. 2022 Jul 27;S2352-3026(22)00206-X.PMID: 35907408


👨‍⚕️ HOKUTO監修医コメント
横断的に5大雑誌に目を通していますと, 本研究を含めて血液領域でのPositiveな結果の報告が散見されています. その一方で例えば神経領域ではNegativeな結果が続いています. 現在のところ血液領域が最も治療(薬)の熱いフィールドと言えます. 


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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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