【JAMA Intern Med】敗血症への抗嫌気性菌薬の経験的投与で死亡率が上昇
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海外ジャーナルクラブ

4ヶ月前

【JAMA Intern Med】敗血症への抗嫌気性菌薬の経験的投与で死亡率が上昇

【JAMA Intern Med】敗血症への抗嫌気性菌薬の経験的投与で死亡率が上昇
Chanderrajらは、 敗血症患者を対象に、 抗嫌気性菌薬の経験的投与が有害転帰に及ぼす影響を後ろ向きコホート研究で検討した。 その結果、 ピペラシリン・タゾバクタム (PIPC/TAZ) の投与はセフェピムと比較して死亡率が高く、 臓器機能障害の期間が長くなることと関連することが示された。 本研究は、 JAMA Intern Med誌において掲載された。

📘原著論文

Mortality of Patients With Sepsis Administered Piperacillin-Tazobactam vs Cefepime. JAMA Intern Med. 2024 May 13:e240581. PMID: 38739397

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

どの領域でも揺り戻しのようなものがあり、 一時期はセフェピムに対してPIPC/TAZが優位な報告が散見されていましたが、 今後はその逆の報告が続きそうです。

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抗嫌気性菌薬の長期的な影響は?

細菌性敗血症に対する経験的治療としてPIPC/TAZなどの抗嫌気性菌薬が用いられるが、 これらの使用が有害な転帰と関連する可能性があることが示唆されている。 14日後の短期転帰には差がないとする最近の研究もあるが、 長期的な影響についてはさらなる検討が必要である。

主要評価は90日死亡率

対象

2014年7月1日~18年12月31日に敗血症の疑いでミシガン大学に入院し、 PIPC/TAZかセフェピムのいずれかとバンコマイシンの併用療法を受けた成人患者 : 7,569例

男性 : 4,174例 (55%)、 年齢中央値 : 63歳 (IQR 52-73歳)。

主要評価項目

90日死亡率

副次評価項目

臓器不全の無い日数、 例工呼吸器の無い日数、 バソプレッサーの無い日数

PIPC/TAZは90日後の絶対死亡率が高い

解析対象

  • バンコマイシン+PIPC/TAZ投与 : 4,523例
PIPC/TAZを投与された患者のうち、 不足期間中に投与されたのは152例 (3%) のみであった。
  • バンコマイシン+セフェピム投与 : 3,046例

主要評価項目

PIPC/TAZ投与例では90日後の絶対死亡率が5.0%高かった。

95%CI 1.9-8.1%

副次評価項目

PIPC/TAZ投与例は以下の結果と関連していた。

臓器不全のない日数 : 2.1日減少

95%CI 1.4-2.7日

工呼吸器のない日数 : 1.1日減少

95%CI 0.57-1.62日

バソプレッサーのない日数 : 1.5日減少

95%CI 1.01-2.01日

経験的な抗嫌気性菌薬使用は有害

著者らは 「敗血症が疑われる患者において、 PIPC/TAZの投与はセフェピムと比較して死亡率が高く、 臓器機能障害の期間が長くなることが示された。 この所見は、 敗血症における経験的な抗嫌気性菌薬の広範な使用が有害である可能性を示唆している」 と述べている。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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