海外ジャーナルクラブ
6ヶ月前

Lewisらは、 英国、 スウェーデン、 ノルウェー、 フィンランド、 デンマークにおいて、 60歳以上のマントル細胞リンパ腫 (MCL) 患者の1次治療として、 ブルトン型チロシンキナーゼ (BTK) 阻害薬イブルチニブ+抗CD20抗体リツキシマブ併用療法の標準的な免疫化学療法に対する優越性を多施設共同第Ⅱ/Ⅲ相無作為化比較試験ENRICHで検証した。 その結果、 イブルチニブ+リツキシマブ併用療法は無増悪生存期間 (PFS) を有意に延長し、 標準的な免疫化学療法に対する優越性が検証された。 本研究はLancet誌において発表された。
COVID-19のパンデミックの影響を大きく受け、 介入群で感染イベントが多かったものの、 これらを打ち切り処理しても全体およびサブグループで結論は変わらなかった、 とのことです。
イブルチニブは、 MCLの1次治療として免疫化学療法に追加投与することでPFSを延長することが知られている。
そこで本研究では、 化学療法を含まないイブルチニブ+リツキシマブ併用療法の標準的な免疫化学療法に対する優越性を第Ⅱ/Ⅲ相無作為化比較試験ENRICHで検討した。
英国、 スウェーデン、 ノルウェー、 フィンランド、 デンマークの66施設で、 Ann-Arbor病期分類II~IV期、 ECOG PS 0~2、 60歳以上で未治療のMCL患者397例が以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。
両群ともに導入療法終了後に奏効が得られた患者には、 8週間ごとに2年間のリツキシマブ維持療法を実施し、 イブルチニブ+リツキシマブ群ではイブルチニブを病勢進行または許容できない毒性が発現するまで継続した。
主要評価項目は、 免疫化学療法で層別化したうえで担当医師が評価したPFSであった。
イブルチニブ+リツキシマブ群の年齢中央値は74歳 (四分位範囲 [IQR] 70-77歳)、 免疫化学療法群も74歳 (IQR 70-78歳) であった。 男性が75%、 女性が25%であり、 人種データは収集されなかった。
追跡期間中央値47.9ヵ月におけるPFS中央値は、 免疫化学療法群と比べてイブルチニブ+リツキシマブ群で有意に延長し (調整HR 0.69 [95%CI 0.52-0.90]、 p=0.0034)、 イブルチニブ+リツキシマブの免疫化学療法に対する優越性が検証された。
無作為化前にR-CHOPに割り付けられた患者を対照とした場合のHRは0.37 (95%CI 0.22-0.62)、 リツキシマブ+ベンダムスチンに割り付けられた患者を対照とした場合のHRは0.91 (95%CI 0.66-1.25) であった。
導入および維持療法を通じて、 イブルチニブ+リツキシマブ群の67%および免疫化学療法群の70%でGrade3以上の有害事象が報告された。
著者らは 「本研究は、 未治療のMCL患者において、 イブルチニブ+リツキシマブが免疫化学療法に比べてPFSを有意に延長することを示した初めての無作為化比較試験である。 この結果は、 イブルチニブ+リツキシマブを高齢のMCL患者に対する1次治療の新たな標準治療として考慮すべきであることを示唆している」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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