海外ジャーナルクラブ
6日前

Freretらは、 予定外帝王切開を受ける妊婦を対象に、 アジスロマイシン追加投与の普及と産後感染の推移を、 米国の電子カルテデータベースEpic Cosmosを用いて検討した。 その結果、 2016年の試験エビデンス公表前後で、 帝王切開群のアジスロマイシン投与は2.2%から39.6%と大きく増加した。 また、 産後感染は帝王切開群で9.2%から8.0%へ低下した。 研究結果はJAMA誌に発表された。
本研究の主な限界は、 予定帝王切開を正確に同定できなかったため、 経腟分娩を対照群とした点です。 また、 2017~24年に導入されたERAS (術後回復促進プログラム) や術前処置など、 アジスロマイシン以外の感染予防策の影響を除外できていません。
帝王切開は米国で最も多く実施される手術であり、 産後感染の主要なリスク因子でもある。 予定外帝王切開では、 分娩時にマクロライド系抗菌薬アジスロマイシンを追加投与することで産後感染が減少することが臨床試験で示されていた。 一方、 このエビデンスが実臨床にどの程度普及しているかは明らかでなかった。
本研究では、 米国の予定外帝王切開におけるアジスロマイシン追加投与の普及状況と、 産後感染率の推移を検討した。
米国の電子カルテデータベースEpic Cosmosのデータを用い、 陣痛を経て在胎24~43週で単胎生児を出産した妊婦を対象とした。 帝王切開を介入群、 経腟分娩を対照群と位置付け、 2016年の試験エビデンス公表を基準に、 2013年1月1日~2016年9月28日の分娩と2017年1月1日~2024年12月31日の分娩を比較した。
主要評価項目は周術期のアジスロマイシン投与と分娩後6週間以内の産後感染とした。
解析対象の分娩166万3,441件のうち、 帝王切開は20万2,234件、 経腟分娩は146万1,207件であった。
アジスロマイシン投与は、 エビデンス公表後、 帝王切開群で経腟分娩群と比較して大きく増加した。
アジスロマイシン投与 : エビデンス公表前
アジスロマイシン投与 : エビデンス公表後
差分推定値 37.6㌽ (95%CI 33.1-42.2㌽)
産後感染は、 エビデンス公表後、 帝王切開群で経腟分娩群と比較して減少した。
産後感染 : エビデンス公表前
産後感染 : エビデンス公表後
差分推定値 -2.0㌽ (95%CI -2.6~-1.4)
著者らは、 「2016年の試験エビデンス公表後、 米国で予定外帝王切開を受ける妊婦へのアジスロマイシン使用は増加し、 産後感染率は低下した」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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