海外ジャーナルクラブ
1年前
Eric Bouffetらは、 BRAF V600変異陽性の小児低悪性度神経膠腫の1次治療におけるBRAF阻害薬ダブラフェニブ+MEK阻害薬トラメチニブ併用療法の有効性および安全性について、標準療法との比較により検証する第Ⅱ相試験を実施。 その結果、 ダブラフェニブ+トラメチニブ併用療法により、全奏効率が高くなり、 無増悪生存期間 (PFS) も有意に延長したことが示された。 本研究はNEJM誌において発表された。
有意差の出にくい2:1の割り付けで申し分のない有効性が証明されています。 長期的なアウトカムが注目です。
BRAF V600E変異は小児低悪性度神経膠腫において、 標準化学療法に対する反応がより低いことに関連すると考えられている。 先行試験でダブラフェニブは再発性小児低悪性度神経膠腫に有効性を示しているため、 ダブラフェニブ+トラメチニブの併用療法について1次治療として評価することが求められている。
1次治療を受ける予定のBRAF V600変異陽性小児低悪性度神経膠腫患者
患者を以下の群に2:1の割合で無作為に割り付け
主要評価項目は、神経腫瘍学治療効果判定 (response assessment in neuro-oncology:RANO) 基準に基づき,独立に評価された全奏効 (完全奏効または部分奏効)。
臨床的利益 (完全奏効、 部分奏効、 24週間以上の安定) とPFSについても評価した。
全奏効率
リスク比 (RR) 4.31、 95%CI 1.7-11.2、 P<0.001
臨床的利益が認められた割合
RR 1.88、 95%CI 1.3-2.7
PFS中央値
併用療法群のほうが標準化学療法群よりも有意に長かった。
HR 0.31、 95% CI 0.17-0.55、 P<0.001
グレード3以上の有害事象の発現
BRAF V600変異陽性小児低悪性度神経膠腫の1次治療として、 ダブラフェニブ+トラメチニブ併用療法は標準化学療法よりも全奏効の割合が高く、 PFSも長かった。 また、 安全性プロファイルも良好であった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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