【NEJM】BRAF V600変異陽性の小児低悪性度神経膠腫にダブラフェニブ+トラメチニブが有効
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1年前

【NEJM】BRAF V600変異陽性の小児低悪性度神経膠腫にダブラフェニブ+トラメチニブが有効

【NEJM】BRAF V600変異陽性の小児低悪性度神経膠腫にダブラフェニブ+トラメチニブが有効
Eric Bouffetらは、 BRAF V600変異陽性の小児低悪性度神経膠腫の1次治療におけるBRAF阻害薬ダブラフェニブ+MEK阻害薬トラメチニブ併用療法の有効性および安全性について、標準療法との比較により検証する第Ⅱ相試験を実施。 その結果、 ダブラフェニブ+トラメチニブ併用療法により、全奏効率が高くなり、 無増悪生存期間 (PFS) も有意に延長したことが示された。 本研究はNEJM誌において発表された。 

📘原著論文

Dabrafenib plus Trametinib in Pediatric Glioma with BRAF V600 Mutations. N Engl J Med. 2023 Sep 21;389(12):1108-1120. PMID: 37733309

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

有意差の出にくい2:1の割り付けで申し分のない有効性が証明されています。 長期的なアウトカムが注目です。

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【NEJM】BRAF V600変異陽性の小児低悪性度神経膠腫にダブラフェニブ+トラメチニブが有効

Dabrafenib+Trametinib


背景

BRAF V600E変異は小児低悪性度神経膠腫において、 標準化学療法に対する反応がより低いことに関連すると考えられている。 先行試験でダブラフェニブは再発性小児低悪性度神経膠腫に有効性を示しているため、 ダブラフェニブ+トラメチニブの併用療法について1次治療として評価することが求められている。

研究デザイン

対象

1次治療を受ける予定のBRAF V600変異陽性小児低悪性度神経膠腫患者

介入

患者を以下の群に2:1の割合で無作為に割り付け

  • 併用療法群:73例
ダブラフェニブとトラメチニブを併用投与
  • 標準化学療法群:37例
カルボプラチン+ビンクリスチンを投与

主要評価項目

主要評価項目は、神経腫瘍学治療効果判定 (response assessment in neuro-oncology:RANO) 基準に基づき,独立に評価された全奏効 (完全奏効または部分奏効)。

臨床的利益 (完全奏効、 部分奏効、 24週間以上の安定) とPFSについても評価した。

研究結果

主要評価項目

全奏効率

  • 併用療法群:47%
  • 標準化学療法群:11%
リスク比 (RR)  4.31、 95%CI 1.7-11.2、 P<0.001

臨床的利益が認められた割合

  • 併用療法群:86%
  • 標準化学療法群:46%
RR 1.88、 95%CI 1.3-2.7

PFS中央値

併用療法群のほうが標準化学療法群よりも有意に長かった。

  • 併用療法群:20.1ヵ月
  • 標準化学療法群:7.4ヵ月
HR 0.31、 95% CI 0.17-0.55、 P<0.001

安全性評価

グレード3以上の有害事象の発現

  • 併用療法群:47%
  • 標準化学療法群:94%

結論

BRAF V600変異陽性小児低悪性度神経膠腫の1次治療として、 ダブラフェニブ+トラメチニブ併用療法は標準化学療法よりも全奏効の割合が高く、 PFSも長かった。 また、 安全性プロファイルも良好であった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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