海外ジャーナルクラブ
10ヶ月前
Nash氏らは、 CMS Hospital-Wide Readmission指標が適格な米国の施設を対象に、 米国の保健・福祉省メディケア・メディケイド・サービスセンター (CMS) が開発した2つの評価方法を用いて研究を実施し、 保険および人種に関して、 再入院の公平性を評価した。 その結果、 公平な再入院を提供している施設は少数であり、 一定の特徴を有していた。 本研究はJAMA誌において発表された。
公平な再入院の定義ですが、 人種 (黒人) と保険(dual eligible:メディケアとメディケイドの両方に加入している人)で規定されています。
公平性は医療の質に不可欠な領域である。 CMSは、 臨床転帰における公平性を評価するため、 2つのDisparity Methods*を開発した。
2018年7月~19年6月におけるメディケアデータを用いたCMS Hospital-Wide Readmission指標が適格である米国の医療施設
CMS Disparity Methodsを用いて公平な再入院の定義を作成し、 病院横断法と単一病院内法の2つの方法で施設を評価し、 公平な再入院を実施している施設を特定した。 本研究では①保険、 ならびに②人種に関する再入院率を比較し、 それぞれの方法で閾値を満たした施設を公平な再入院を実施している施設とした。
次に各施設について、 患者の属性、 病院の特徴、 病院のパフォーマンスに関する3つの指標 (質、 コスト、 価値を比較した。
評価対象となった4,638施設のうち、 十分な数の二重適格受給者を診療している病院の割合は74% (3,414施設)、 十分な数の黒人患者を診療している施設の割合は42% (1,962施設) であった。
保険/人種に関して公平な再入院を実施している病院の割合はそれぞれ17% (592施設) /30% (596施設) であった。
公平な再入院の実施施設のうち黒人患者の割合
【保険別中央値】
1.9%(IQR 0.2-8.8) vs 3.3%(同0.7-10.8)
p<0.01
【人種別中央値】
7.6%(IQR 3.2-16.6) vs 9.3%(同4.0-19.0)
p=0.01
費用が低い施設ほど公平な再入院を実施する可能性が高く、 質と価値、 公平性との間に関係は認められなかった。
OR 1.57(95%CI 1.38-1.77)
質が高い施設ほど公平な再入院を実施する可能性が高く、 費用と価値、 公平性との間に関係は認められなかった。
OR 1.14 (95%CI 1.03-1.26)
公平な再入院を達成している施設は黒人患者の割合が低いなど特定の特徴を有しており、 少数である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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