【BMJ】患者と外科医の性別一致は術後死亡率と関連せず
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海外ジャーナルクラブ

12ヶ月前

【BMJ】患者と外科医の性別一致は術後死亡率と関連せず

【BMJ】患者と外科医の性別一致は術後死亡率と関連せず
Wallis氏らは、 米国の急性期病院で選択的または非選択的手術を受けた65~99歳の患者を対象に、 患者と外科医の性別の一致が手術後の死亡率に与える影響について後ろ向き観察研究で検討した。 その結果、 いずれの組み合わせにおいても、 術後死亡率で臨床的に意義のある差は認められなかった。 本研究はBMJ誌において発表された。 

📘原著論文

Association between patient-surgeon gender concordance and mortality after surgery in the United States: retrospective observational study. BMJ. 2023 Nov 22:383:e075484. PMID: 37993130

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

本研究データセットにおいて術者は男性医師95%に対して女性医師5%に過ぎず、 あくまでの現在の特殊な状況下での結果と言えます。 今後も同じような結果が言えるか注目していく必要があります。

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術後経過日数の計算


背景

患者-外科医の性別の一致と患者の術後死亡率の関連性を明らかにすることで、 執刀医の性別が術後アウトカムに及ぼす影響を検討する。

研究デザイン

対象

2016~19年に米国の急性期病院で14の主要な選択的、 または非選択的手術*のいずれかを受けた65~99歳のメディケア有料サービス受給者: 290万2,756例

*腹部大動脈瘤修復術、 虫垂切除術、 胆嚢摘出術、 結腸切除術、 冠動脈バイパス術、 膝関節置換術、 人工股関節置換術、 子宮摘出術、 椎弓切除術または脊椎固定術、 肝切除術、 肺切除術、 前立腺切除術、 根治的膀胱切除術、 甲状腺切除術など

主要評価項目

術後30日以内の死亡率

研究結果

患者と外科医の組み合わせ率

【BMJ】患者と外科医の性別一致は術後死亡率と関連せず

対象例のうち44.4%は患者と同性の外科医による手術が行われていた。 また、 55.6%は患者と異性の外科医による手術が行われていた。

補正後の術後30日死亡率

【BMJ】患者と外科医の性別一致は術後死亡率と関連せず

選択的手術における患者-外科医の性別の一致においては、 女性患者の死亡率とわずかに関連しており、 男性外科医による手術を受けた例と比較して、 女性外科医による手術を受けた例でわずかに死亡率が低かった。

補正後リスク差 -0.2 (95%CI -0.3~-0.1) 、 p<0.001

また、 女性外科医による手術を受けた男性患者に比べ、 男性外科医による手術を受けた男性患者の死亡率は高かった。しかしこれらの群間の差は小さく、 臨床的な意義を持たない結果となった。

補正後リスク差 0.3 (95%CI 0.2-0.5) 、 p<0.001

非選択的手術では、 患者-外科医の性別の一致による術後死亡率の差異を示唆するエビデンスは認められなかった。

結論

術後30日以内の死亡率において、 患者-外科医の4種類の性別の組み合わせによる差はほとんど同程度であり、 臨床的に意味のある差は認められなかった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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