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1ヶ月前

関西医科大学呼吸器腫瘍内科学分野の池田氏らの研究グループは、 間質性肺炎 (IP) を合併する非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者における遺伝子検査の実施状況と分子標的薬の安全性・有効性を、 日本国内の多施設共同後ろ向き研究で検証した。 その結果、 遺伝子検査は59.2%で実施されており、 最も高頻度であったのはKRAS変異で発現率4.7%であった。 またIP合併NSCLC患者は薬剤性肺障害リスクがあるものの、 全生存期間は標的治療を受けたドライバー変異陽性患者で39.2ヵ月と最も長く、 標的可能なドライバー遺伝子変異を同定し治療することの有用性が示された。 試験結果はEur J Cancer誌に発表された。
検出されたオンコジェニックドライバーを有する84例のうち、 56例 (66.7%) は分子標的薬による治療を受けておらず、 分子標的治療を受けた患者数が比較的少ない点はlimitationです。
間質性肺炎 (IP) を合併する非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者は薬剤性肺障害ハイリスク群であり、 EGFRなどの一般的なドライバー遺伝子変異は低頻度であることが示唆されている。 そのため遺伝子検査が控えられ、 KRAS、 BRAF、 METといった実際には存在している標的可能な変異を見逃す可能性がある。
本研究では、 IP合併NSCLC患者における遺伝子検査の実臨床での実施状況、 ドライバー変異の頻度、 および分子標的治療の安全性・有効性を明らかにすることを目的とした。
本研究は多施設共同後ろ向き研究であり、 日本国内37施設から登録されたIP併存の進行または再発 NSCLC患者1,256例を解析対象とした。
遺伝子検査の実施割合は59.2% (95%CI 56.5–62.0) であり、 多遺伝子検査の実施割合は41.0% (95%CI 38.3–43.8%) であった。 頻度の高い変異は以下の通りであった。
各ドライバー変異出現頻度
薬剤性肺障害の発生率は、 ソトラシブで0% (6例中0例)、 オシメルチニブでは50% (8例中4例)、 アレクチニブでは33% (3例中1例)、 ダブラフェニブ+トラメチニブおよびテポチニブではいずれも 25% (各4例1例) であった。
全生存期間は、 標的治療を受けたドライバー変異陽性患者で最も長かった。
全生存期間 (中央値)
著者らは、 「本研究の対象集団では多遺伝子検査が十分に活用されていない。 多くの分子標的薬は薬剤性肺障害のリスクが高い中、 ソトラシブは比較的安全と考えられた。 リスクが存在するにもかかわらず、 標的可能なドライバーを同定し治療することは、 生存の改善につながる可能性がある」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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